カラチャイ・チェルケスの山での過ごし方とヒチンの撃退法

オールシーズン娯楽施設「アルヒズ」の客。

オールシーズン娯楽施設「アルヒズ」の客。

エレナ・アフォニナ撮影/TASS
 馬にまたがって渓谷を歩いたり、素晴らしいリゾート地で山スキーを楽しんだり、カフカス料理の試練をくぐり抜けたり・・・。とりわけカフカス料理の誘惑は、危険で過激なことを愛する極めて勇敢な者のためにある。

 小さくて山がちな共和国カラチャイ・チェルケスは大切な客人を家族のように迎えてくれる。食べ物を与え、飲み物を与え、一番よいものを勧めてくれる。ここでもっとも素晴らしいものは果てしないカフカスの山々。灰色の氷河や激しい峠、流れの速い川でわたしたちを魅了する。わたしたちはカラチャイ・チェルケスを馬で、スノーボードで、そして徒歩でくまなく移動し、そしてなぜエクストリーム好きな人やロマンティックな人、そしてグルメな人々がここに来るのかを知ることができた。

風と歩く

クラースヌィ・クルガン村で乗馬クラブ「グン」の馬に乗っている観光客。

 あなたがどこかを訪れたとき、その土地を知るために、まず“鉄の馬”である自転車を借りるという人なら、ここでは本物の馬を借りたくなるだろう。これまでまったく乗馬したことがなくても、カラチャイの馬を繁殖させているクラースヌィ・クルガン渓谷で馬にまたがってみるというのは、間違いなく名案である。

 女性たちは、馬の扱い方だけでなく、おまけとしてカフカスの長寿の秘訣を知ることになるだろう。「男は年老いていかないと地元の人々は言う。それは冗談かそうでないか分からない。というのも、男というのは女性に興味を失ったとき初めて年老いていくものだからだ。しかしここでは男性は女性への興味を失うことはない。だからインストラクターから離れない方がいい」。

クラースヌィ・クルガン村にある乗馬クラブ「グン」の馬。このクラブは地元で乗馬ツアーを行う。

 教えられたように馬を操るのは簡単ではない。なぜならエレガントなカラチャイの黒い馬は、体の中に独自のナヴィゲーションを持っていて、しょっちゅう渓谷の中の細い小径に入っていくのである。最初は、馬がまっすぐ進んでいないような感じだった利、石につまづいたりすることもある(その瞬間、ちょっとした不快感を感じる)。しかし実際にはカラチャイの馬は世界でもっとも安定感のある馬の一種として知られており、エルブルスへも登っていくことができる。

 馬が道や棘のある木があるのも気にせず、楽しげに駆け下りていく感触は忘れることができないものだ。そんな乗馬を数時間していると、あなたは本当に馬と一体になっていると感じるだろう。

ロマンティック村でロマンスを見つける

オールシーズン娯楽施設「アルヒズ」の客。

 観光客が乗馬を習得している間に地元の人々はスノーボードやスキー板の上で楽しんでいる。2013年の末にオープンした新しい全シーズン型リゾート地アルヒズはアクティヴな休日を心から満喫し、山のロマンティシズムに浸るのにピッタリな場所だ。

 スキーパスとスノーボードとヘルメットを借り、傾斜を制覇しに行こう。もちろんいきなりとは言わない。まずレッスン用のルートでインストラクターの説明に注意深く耳を傾け、20回か30回転倒し(わざとではなく)、そろそろ足がいうことを聞かなくなってきて、バランスを崩しかけたとき、インストラクターはあなたと同じようにまだ新しい本物のルートに移動してみようと言ってくれるだろう。もし自由とアドレナリンが欲しいなら、オープンしたばかりのプロ向けのサウスレーンへどうぞ。唯一の問題は、一番上にはまだインターネットが開通していないため、友達に写真を送りたいなら、山から降りてこなければならないということ。

スキーリゾート「アルヒズ」。

 多くの経験豊かなスポーツマンたちも初めてここで滑っていると言う。リャザン出身のアレクサンドルはかつて冬の休暇をソチで過ごしていたが、ここの方が人が少なく、スキーパスの値段もはるかにリーズナブルだと話す。ヴォロネジ出身のレオナルドとマルゴはエルブルースやドンバイにも行ったそうだが、ここはサービスがよく、スキールートが理想的な状態であることが気に入ったと言う。またモスクワ出身のワシーリーとイリーナは、リゾート地はヨーロッパ並みのレベルであるが、シーズン中の料金はオーストリアくらいだと指摘している。

ニージュニー ・アルヒズ村の北ゼレンチュクスキー教会(10-11世紀に建設)。

 リフトに一番近いのが、ルンナヤ・ポリャーナ(月明かりのあたる場所)、そしてロマンティックという実にポエティックな名前の村だ。しかし若者たちはもう少し下った場所のアルヒズに宿泊するのを好む。アルヒズでは安価なホテルの一室を借りることができる。この辺りのカフカス・シャシリク(串焼き肉)の店ではスキー後の交流が繰り広げられている。しかもこの辺りはエクスカーションにも参加しやすく、周辺にも見るべきものがあるからだ。

星の秘密を知る

特別天体物理学天文台の領土にある大型反射望遠鏡BTA-6。

 山では瞬く間に夜の帳が下りる。太陽は雪の山の向こうに隠れ、空は輝く一面の星に覆われる。カラチャイ・チェルケスの夜空は美しく、永遠に眺めていたくなる。地元の人々は数百年もの間、星を観察し続けている。ニジニ・アルヒズには歴史ある天文台があり、そこでは1000年も前に、中世までここに住んでいたアラン人が、至点の日時を測定していたという。

 また山の勾配を17キロ上ったところに、ロシアで最大の天体物理学センターがある。金曜日、週末、祝日にはエクスカーションが行われている。とはいえ、星を見ることができると期待するのは間違いで、ここでは650トンもある巨大な望遠鏡を見ることができる。そしてここからはアルヒズ谷の驚異的にフォトジェニックな景色を堪能するためにもここに来る価値はある。

ヒチンの襲撃に備える

ヒチン

 カラチャイ・チェルケスには伝統的なカフカス料理がある。いい香りがする羊肉のシャシリクや煮込んだスープ、シュルパや新鮮なカッテージチーズやホームメイドのアイラン(ヨーグルトに水と塩を混ぜた飲料)を楽しみにしている間に、いきなりヒチンの襲撃に遭うこと間違いない。山ではこの襲撃に抵抗するチャンスはゼロだ。

 ヒチンというのは、おいしい具がたっぷり入ったバターで焼かれた分厚いパン。具はジャガイモのピュレーやチーズ、ハーブ、ひき肉など。一食分食べれば、体重が1キロ増えるが、これを一食でやめられる人がいるなら顔を見てみたい。

 地元の人々は言う。山の空気は体内から毒素を取り除いてくれる。しかし体内からヒチンを取り除けばいいのかと尋ねれば、彼らは茶目っ気たっぷりに微笑んで、もう一食分のヒチンを出してくれるだろう。ヒチンは主食ではない。普通はシャシリクが出て来る前に食べる、いわば前菜である。サラダやフルーツ、その他の簡単な料理は出てこない。カフカスの人々は食べ物に対して真剣なのである。

 アクセス:アルヒズにもっとも近い空港は、200キロ離れたミネラールヌィエ・ヴォードィにある。そこからはバスかタクシーに乗る。

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