世界のロシア大使館:スターリン・アンピール様式だけでない(写真特集)

観光・自然
アレクセイ・ティモフェイチェフ
 ロシア外交の拠点のいくつかはその雄大さに目を奪われる。中にはまるで宮殿に見えるものもある。

1.ワルシャワ

 ポーランドのロシア大使館は宮殿そのものだ。それもそのはずで、この建物は18~19世紀に古典主義スタイルで設計されたサンクトペテルブルクの宮殿を模して建設されたものである。

2.ヘルシンキ

 いわゆるスターリン・アンピール様式建築の在フィンランドロシア大使館は、1975年にソ連指導者ブレジネフとフォード米国大統領が会談し、ヨーロッパの国境を維持するとしたヘルシンキ合意に署名した場所である。

3.ハバナ

 ハバナのロシア大使館はこの地の最も注目すべき建築物である。構成主義派建築家による建物は、この都市の一番の見どころであるという人がいるほどだ。

4.ミンスク

 ベラルーシのミンスクにあるロシアの外交拠点は、ロシア大使館の中でも最も大きなものの一つである。また建物は2009年に完成したもので、最も新しいものの一つでもある。

5.北京

 おそらく世界最大のロシア大使館は北京のものだ。1950年代半ばに開設されたこの大使館は、それまでロシアの伝道団体が置かれていた場所に建てられた。その名残は今でも大使館の敷地内に見ることができる。

6.上海

 上海のロシア総領事館は第一次世界大戦中につくられたとても美しい建物である。その基礎となっている土はロシアから直接運ばれたとも言われている。設計は、ドイツ人建築家によるもので、ロシア建築学派の作品というよりは、ドイツ・ルネッサンス期の建物に近い。

7.ロンドン

 この建物は、1930年に南アフリカの“羊毛億万長者”、ルイス・リチャードソン卿から借り受けたもの。1991年に契約は100年間延長され、ロシアは象徴的な賃料として年間1ポンド支払っている。これは、英国がモスクワの大使公邸の賃料として年間1ルーブル支払っているのに相当している。

8.ベルリン

 ここのロシア大使館は、19世紀中ごろよりベルリン中心部にある。第二次世界大戦中にはナチスが占領地域大臣公邸として利用した。現在の建物は東ドイツ時代の1952年に建てられたものである。

9.プラハ

 ロシア(当時のソ連)は、第二次世界大戦後にこの建物を手に入れた。もともとは、銀行家フリードリッヒ・ペツチェックの豪邸であったが、国有資産となった後、ナチスと戦ったソ連国民の貢献に対する贈り物としてソ連政府に譲られた。この豪邸はフレンチバロック様式で設計されている。