1.ロシア科学アカデミー植物園内の日本庭園
ヨーロッパ最大級の植物園であるロシア科学アカデミー植物園の北側に、1980年代に造園された「日本庭園」がある。庭園のオープニングセレモニーには駐ソ連日本大使も出席し、神主が土地を清める地鎮祭も行った。庭園の設計は世界的に有名な造園家、中島健氏が手がけた。
2.7ヘクタールの敷地に主に日本に生育するおよそ100種の木々や花が集められているほか、18世紀の石塔、滝のような水流、岩島のある2つの池、木造の橋、四阿、石灯篭、つくばいなど、日本庭園に欠かせないすべての要素が揃っている。これらはすべて日本から直接持ち込まれた。また造園のため、ザカルパチア地方からモスクワへ250トンの石が運ばれた。
異なる年にエゾヤマザクラとチシマザクラおよそ250本が植えられ、そのうち40本が見事に花を咲かせている。もっとも大きな木は5メートルにまで育った。ちなみにこの庭園は普段、厳格なスケジュールで管理されているが、桜が花を咲かせる時期(5月3日〜7日前後)には、庭園は毎日、訪問客のために開かれている。
ソーシャルネットワーク「フコンタクチェ」ではこの庭園のグループがあり、定期的に庭園の画像付きニュースがアップされている。グループのメンバーたちは、「桜とトネリコがもう色づき始めているが、もみじはまだ緑色のままだ」と伝えている。そんなわけで「黄金の秋」まではまだ時間がありそうだ。
住所:ul. Botanicheskaya, 4, Glavniy botanicheskiy sad im. N.V. Tsitsina RAN
開園時間:9月1日~10月14日:月木以外12: 00〜18: 00。
4月27日~8月31日:月木以外 (金、土、日、祝日12: 00〜20: 00、 火、水12: 00〜18: 00)。
入場有料
2.モスクワ大学の茶室
ロシア式に思い切り散歩した後、秋の空気のなか、桜に囲まれて暖を取ることができるのが、モスクワ大学の茶室。茶室は1990年代に裏千家15代鵬雲斎宗室のお抱え数奇屋大工らが、裏千家ロシアの支援の下、設計した。最初の生徒らに茶道を教えたのは西川宗篤氏だが、現在は主にロシア人茶道家らが指導を行なっている(そのうちの多くがモスクワ大学で日本語を教えている)。
住所:ul. Mokhovaya, dom 11, Institut stran Azii i Afriki MGU im. M.V.Lomonosova, aud.402
開室時間:サイトでスケジュールをチェックすること(リンクは ロシア語)。
3.モスクワ動物園のタンチョウとタヌキ
モスクワ動物園はヨーロッパで最も歴史の長い動物園だということはご存知だろうか?モスクワ動物園は1864年に開園、現在は1,000を超える動物や鳥類を見ることができる。園が特に誇るのは1970年代に仲間入りしたタンチョウ。動物園の職員らはこれまでにないほど繁殖力があると指摘している。
数年前に動物園にはタヌキが迎え入れられた。冬の間は、特別に作られた小屋で冬眠する。
住所:B. Gruzinskayaul., 1
開園時間:月~日9:00~19:00
4. 公園「ムゼオン」の「ゲイシャ」像
もう一つ小さな東洋風の庭がゴーリキー公園にひっそりとある。池と木造の橋を背景にアジアンスタイルの彫刻が並んでいるが、その中に着物を着て、扇を持った少女の像がある。かなり日本風である。
住所:Krymskiy Val, vladenie 2
開園時間:24時間
5.ルビャンカ駅のラーメンクラブ
そろそろ腹ごしらえする時間。数ある和食レストランの中からご紹介するのはモスクワの歴史的な横丁にある小さなお店。壁には京都の地図が貼られ、飲み物の自動販売機もあり、何種類かのラーメンと餃子、カレーライスが食べられる。日本に行ったことがある人は日本ならではの雰囲気を感じること請け合い。もしかするとノスタルジックな気分に浸れるかもしれない。
住所: Myasnitskaya ul., 16
営業時間:月~土11: 00~22: 00、日12: 00~21: 00。
6. 東洋博物館で観る字幕入りの日本映画
モスクワで、日本語で映画を、しかも35mmフィルムで観ることは・・・、できる。日本映画祭の枠内で、10月から12月にかけて、東洋博物館で日本映画の古典作品、現代映画が上映される。音声はオリジナルで字幕つき。
東洋博物館を訪れたなら、1896年にロシアのニコライ2世戴冠に際して日本の明治天皇が贈った品を一目見てみよう。「松の上のオオワシ」という彫刻作品で、実物大のオオワシ(両翼164センチ)と切りビロードの衝立から成る。この作品に無関心でいられる人はいないだろう。
住所:Nikitskiy bulvar, dom 12A
上映時間:在モスクワ日本大使館のサイトにてスケジュールをチェックすること
7. ボリショイ劇場
え、信じられない?いや、しかし間違いではない。ボリショイ劇場も日本を感じられる場所の一つである。今年5月にウラジーミル・プーチン大統領と日本の安倍晋三首相がロシアにおける日本年、日本におけるロシア年の開幕を宣言した。ボリショイ劇場もまたある意味で日本を連想させる場所の一つとなっている。
ロシア日本文化交流年のプログラムの枠内で、モスクワでは日本の珠玉の作品を紹介する「江戸時代の絵画と浮世絵の傑作」と題された大々的な展覧会が開かれるなど、数十のイベントが企画されている。
8. 日本のカラオケ「シミズ」
日本庭園の美しさに心が歌い出したというあなた。モスクワ中心部にある日本のカラオケ「シミズ」はいかが?ここでは露日カラオケパーティが度々開かれ、日本のダンスのショーも行われている。浴衣、着物を着てコスプレして来た人には無料のドリンクがついてくる。
住所:ul. Bolshaya Polyanka, 51A/9
営業時間:月~木18:00~00:00、金、土18:00~02:00
9. バー「ネコ」の日本風カクテル
「ゲイシャ」、「サムライ」、「ティーハウス」・・・。これは、「日本といえば何?」というステレオタイプのリストではない。これはバー「ネコ」のメニューで見つけることができるオリジナルカクテルの名前である。そして名前だけでなく、中味もちゃんと日本風で、柚子、焼酎、抹茶、ごま、味噌までが使われている。たとえばカクテル「天皇の印」はホワイトラムにお米のシロップと日本のメロンで作られている。またワインのメニューには日本のシャンパンもある。ジャパニーズスタイルの1日を終えるのに、これ以上相応しい場所はないのでは?
住所:Bolshoi Putinkovskiy per., 5
営業時間:火、水、木18:00~01: 00 、金、土18: 00~3: 00