1.街を探索するのにベストな交通手段は?
地元の人なら口を揃えて言うだろう。「もちろん歩くことさ!」と。市全体がユネスコの世界遺産に登録されているサンクトペテルブルクは、珠玉の建築物があちこちにある。もし時間が限られているのなら、ネフスキー大通りから4時間の散策がオススメだ。宮殿広場・ワシリエフスキー島の砂嘴、ペトロパヴロフスク要塞を見てまわり、そしてマルソヴォ・ポーレを目指す。
ホップオン・ホップオフバスに乗るか、ボートツアーに参加して水辺から街を見るのも悪くない(ペテルブルクの創建者ピョートル大帝が、おそらく誰もがそうするだろうと期待していた)。
2.サンクトペテルブルクを訪れるのに最適なのは何月か?
1年のうち、観光シーズンは5月初旬から9月末くらいまでと非常に短い。とりわけ白夜の季節である5月の後半から6月にかけてはもっとも観光客が多い時期である。この時期にペテルブルクを訪れるなら、どこも混雑していて、ほぼどこに行っても行列に並ぶ覚悟が必要だ。
夏に訪れたからといって暖かいとは限らない。ペテルブルクの気候は非常に変わりやすく、7月1日に気温が13℃になり、強い風と激しい雨に見舞われることもある(一般的な夏の気温は20℃前後)。
もしエルミタージュ美術館やエカテリーナ宮殿の琥珀の間を、できるならあまり行列に並ばずに見たいという場合は3月後半から4月にかけて、あるいは10月がベストである。地元の人々はよくこう言う。「悪い天気などない。あるのは正しくない服装だけだ」。つまり、暖かい上着と暖かい下着、それに傘を持っていれば大丈夫。
3.地下鉄に乗るのは簡単?
列車が到着するときには、どの駅でもロシア語と英語のアナウンスが流れる(サッカーワールドカップに感謝しないとね!)。そしてもちろん路線図にも英語表示がある。ワシリエフスキー島やペトログラード・サイドなど、隣接する地区に行くには地下鉄が必要になるだろう。雨の日には地下鉄ツアーも良いだろう。ソ連時代の記念碑とも言える美しい駅のほとんどは赤ライン(蜂起広場とアフトヴォを繋ぐ線)にある。ただし大混雑するラッシュアワー(午前7–10時と夕方5–7時)に地下鉄に乗るのは避けたい。それ以外の時間に利用するのには、地下鉄は早くて安全な乗り物である。
1回乗車するのに45ルーブルで「ジェトン」と呼ばれるトークンを買う。もし1週間滞在するのであれば、60ルーブル(1ドル以下)でポドロジニク・カード( Podorozhnik card)を買い、必要な分をチャージする(350ルーブル=およそ550円もあれば数日間使える)。
4.その他の公共交通機関は?
バス、トロリーバス、トラムは地下鉄ほど便利ではない。というのも、これらはしょっちゅうノロノロ運転をしたり、渋滞に巻き込まれて動けなくなったりするからだ。しかし、いくつかのルートは市内の主な名所を周っているし、歩くのに疲れたときにはうってつけの乗り物だ。ただしこちらもラッシュアワーには乗らないこと。バス7番はモスコーフスキー駅からワシリエフスキー島、27番はアレクサンドル・ネフスキー大修道院からマリインスキー劇場、3番はペトログラード・サイドからセンナヤ広場までを結んでいる。
こちらのアプリでルートや乗り継ぎをチェックしよう。バス、トロリーバス、トラムではポドロジニク・カードを使うか、直接、車掌か運転手にキャッシュで支払う。
5.タクシーを呼ぶには?道でタクシーを停めなければならない?
サンクトペテルブルクではもうタクシーを呼びとめる必要はない。以下の配車アプリを利用できる。
- Yandex Taxi (多言語対応)
- Gett Taxi (ロシア語、英語、ヘブライ語対応)
- Taxovichkof (英語版あり)
6.サンクトペテルブルクで自転車に乗るのは安全か?
自転車は、観光シーズンに平地や広い川岸を走るのには適している。最近では自転車専用レーンが設置されているが、それらの大半は繋がっておらず、その上に自動車が駐車されていることも多い。
市内にはレンタサイクルシステムがある。登録システムを完了できる自信があるなら、こちらのようなルートを楽しんでみては?
自転車で街を探索したいなら、こちらのツアーを利用してみるといい。
7.治安は悪いのか?
1990年代、サンクトペテルブルクはロシアの犯罪都市として知られていた。しかし現在、犯罪率は国全体の平均を下回っている。最近の統計によれば、2017年に5万件の犯罪(うち殺人および殺人未遂事件198件)となっている(市の人口は530万人)。1994年に殺人および殺人未遂事件は4.5倍であった。もっとも一般的な犯罪は盗難、そして薬物関係である。
ちなみに、スリは今でも観光スポットでの深刻な問題である。知らない人とは飲まないようにすること。
8.英語は通じるか?
残念ながら、あまり通じない。通じる可能性が高いのは、街の中心部にあるカフェの給仕やレジの人、20代、30台の若者だ。何か困ったことがあるなら、観光案内所に行くか、グーグルの翻訳機能を使おう。
9.無料のWIFIはどこにもあるのか?
サンクトペテルブルクでは、地下鉄、レストラン、カフェやバーなどほとんどの場所で無料のWIFIサービスが提供されているが、利用するには、ロシアの携帯電話番号を使って登録をしなければならない。ロシアの携帯番号を得るために、どこでロシアのSIMカードを購入するかについてはこちらでどうぞ。
10.サンクトペテルブルクを周るのにどのくらいの時間がいるのか?
地元の歴史家に聞けば、「サンクトペテルブルクは文化の中心なので、見てまわるのに何年もかかる」と答えるだろう。現実的には、3日あれば大丈夫だし、ゆっくり見たいと言う場合でも1週間あれば十分だ。
もし、1日か2日しかないのなら、24時間か48時間でいかにうまく周るかというガイドを参考にどうぞ。
11.水道の水は飲めるのか?
できればやめた方がよい。地元の人も、特別なフィルターを使い、さらに沸騰させてから飲むか、もしくは、街から離れた場所で取れた天然の湧き水を買っている。なので、5リットルのボトル入りの水を飲んだ方が安心だ。
12.サンクトペテルブルクの跳ね橋:気を付けないと困ったことになる。
街にある12の橋は、4月初めから11月終わりの航行可能な時期の深夜過ぎに毎晩開く。もし、ワシリエフスキー島かネヴァ河の北側に滞在しているのなら、跳ね橋が上がる時間に注意しなければならない。
でも、橋を渡れなくなっても、がっかりすることはない。今では環状高速を使えば、戻ることが出来る。しかし、距離が長くなるためタクシー代が少し高くなるので覚悟して。