ヴェラスケスと食事、サタンの舞踏会、その他、モスクワとサンクトペテルブルクの美術館で開催される普通じゃないツアー

ユリー・ベリンスキー撮影/TASS
 訪問客に事欠かない超有名美術館でさえ、伝統的な美術館でお目にかかれるなんて今まで予想したこともないような様々な面白いツアーで、新しい入場者の関心を絶えず惹きつけようとしている。

クレムリンの黙示録の秘密

 クレムリンの生神女福音大聖堂は常に皇族のための教会だった。この聖堂は、イワン雷帝の暗黒の時代に着工され、多くの秘められた象徴や意味を含んでいる。それらの謎を解こうというテーマで、「皇帝の寺院の丸屋根の下にある黙示録の書の秘密」ツアーが企画されている。さらに、一人一人が、生神女福音大聖堂の壁画のプロットを西欧絵画の複製と比較しながら、芸術学者の役割に挑戦することもできる。 

トレチャコフ美術館の保管所に入りこもう

 トレチャコフ美術館が有する非常に大きなアーカイブは、そのごく一部がホールに展示されているにすぎない。その他の作品が保管されている場所に入れるのは、「トレチャコフの友人たち」だけだ――彼らのために美術館ではツアーを開催している。さらに、メンバーの中のほんのわずかな人たちは、美術館の図書館に入ることもできる。そこには、美術館の創設者パーヴェル・トレチャコフの蔵書や貴重な記録書類が保管されている。「トレチャコフの友人」になるには、VIPカードをひとつ購入する必要がある。詳細は美術館で教えてくれる。

 「技師の目」で見るスターリン様式のゴーリキー公園

 夏の期間中、モスクワの現代アート美術館「ガレージ」は、もっとも有名で現代的なモスクワのゴーリキー公園内の建築物散策ツアーを開催する。1920-30年代のアヴァンギャルド建築や、ロシア初のトーキー映画館の建物、荘重なスターリン時代のアンピール様式――観光客たちは、これらの建築の実用的な面に目を向け、ソ連時代の都市計画の秘密を知ることができる。 

ブルガーコフ博物館で悪魔の舞踏会

 『巨匠とマルガリータ』をお読みになったことがあるなら、必ずや、モスクワにあるブルガーコフ博物館の役者さんたちと一緒に、この小説の空気に包まれる必要がある。夜間ツアーと中世の芝居は、ブルガーコフの神秘的な作品が空想の産物ではないということを疑わせないだろう! 裸の魔女ヘルラに出くわしてもびっくりしないで!

エルミタージュの猫たち、そして、昔の巨匠たちとの昼食

 サンクトペテルブルクにあるロシア最大のこの美術館には、「エルミタージュ・オーディオガイド」というアプリがある。そこでは、非常に多彩なテーマ別のツアーを見つけることができる。例えばこの冬宮の住人たちは、美術館の非公式のシンボルかつ守護者となっており、この猫たちのことを書いた書籍や、彼らを撮影した映画もある。

 もうひとつ、面白い新しいアプリは、グルメツアー「心の糧ではなく。おお、そうだ!食べ物だ!エルミタージュで」だ。ここには、17-18世紀の絵画50作以上と、描かれている料理のレシピ、過去の時代の料理をめぐる日常生活の特徴についての興味深い事実が紹介されている。エルミタージュ美術館の館長ミハイル・ピオトロフスキーはすでに、これは博物館でもっとも人気のあるツアーになるだろうと予測している。

モイカ河岸の宮殿でラスプーチンが殺害される

グリゴリー・ラスプーチンの殺人に参加したウラジーミル・プリシケヴィチ、ドミトリー・ロマノフ、セルゲイ・スホチン(左から右)のワックスの像

 グリゴリー・ラスプーチンと、彼の皇帝一家との関係は、おそらく、20世紀初頭の神話と伝説の中でも、もっとも大きなものだろう。サンクトペテルブルクのユスポフ公爵の私邸の地下室では、この有名な老僧の人生最後の晩の雰囲気が再現されている。この最後の数日間の雰囲気に没入できるというだけでなく、殺人の驚くべき物語と、皇帝の親類で、この時代にもっとも裕福だったユスポフ家の秘密も聞くことができる。

ロシア美術館と妊婦

妊娠中の女性たちのために、サンクトペテルブルクのロシア美術館は、特別企画「誕生前に美を感じよう」を用意した。美術館のレクチャーやホールを見てまわるり、美しいものを観賞することは、心や感情の状態を良くし、さらに、まだ公式の科学では証明されてはいないが、多くの場合、体の状態をも良くしてくれる。将来の母親たちが、古い時代のロシアの習慣や、ロシア芸術における聖母の形象、おとぎ話や女性たちの肖像画について、もっと知っていくのだ。レクチャーには、医師が同行している。

P.S. すべてのツアーは事前に予約しておこう

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