7月にモスクワ南部で、ニューヨークビュロー「!Melk」のジェリー・ヴァン・エイクのプロジェクトによる「チューフェレワ自然公園」が開園する。自動車工場ジルのかつての工業地帯だった場所に、ターコイズブルーの人口池「ブルーラグーン」と、木製のひさしの下を歩ける散策ゾーンが登場した。ここには、歩行ゾーンに自転車専用道、さらに、トレーニングセンタのあるスポーツゾーンとカフェもある。
これも、首都の新しい都市化プロジェクトのひとつにすぎない。すでにモスクワに行ったことがあるのなら、次に訪ねるときの計画に入れるのもいいだろう。この都市は次々と変容しているのだから。
第二の人生を迎えた、かつての工業地帯がもうひとつある。GES-2は1900年代初頭に建設され、発電所はちょうど一世紀のあいだ稼働していた。モスクワ中心部にある巨大な建物に着目したのは、広く知られているイタリアのレンゾ・ピアノとそのビュローだ。
今、バルチュグ島に、再びモスクワのSOHOとなるチャンスが到来している(かつて、ここに隣接する菓子工場の「赤い十月」を建て直そうとしたのだが、この地域は娯楽施設になってしまった)。新たなアートスペースは、画廊やワークショップ、アート施設、芸術家用のスタジオになっている。
GES-2は、2019年9月に一部がオープンする。全スペースが完全に開業するのは2020年の春頃だ。
「シルエット」という名の真紅の高層ビルは、ロッテルダムビュローMVRDVのプロジェクトだ。ヨーロッパとアジアで、この有名なビュローは、未来主義的な作品によってその名を大々的に知られるようになった。それは、宇宙シャトルか、あるいは巨大な目に似た図書館と、位置が入れ替わるようになっている複数の部屋、「緑の屋根」、あるいは「ピンクの屋根」だ。
モスクワでMVRDVは、サドーヴォエ環状道路とサハロフ大通りの交差点に78mの住宅団地を建設中だ。構想では、この団地は建築の記念碑となっているアレクセイ・シューセフ農業人民委員の家とひとつに繋がり、これらの二つの建物は、モスクワのシンボリックな門となる予定だ。
モスクワ川は街の全体を横切っており、220kmの河岸通りを成している。しかし、そのうちのわずか25%が、公共の空間として住民たちに使用されているにすぎない。河岸通りは、散歩したり、自転車で走ったり、コーヒータイムを過ごしたりできる。
ロシアビュローの「メガノムプロジェクト」は、モスクワの河岸通りを、橋や展望台や休憩所で再構築する全体的なプランを提示した。
スイスのビュロー「ヘルツォーク&ド・ムーロン」(ロンドンのテート・モダンを設計したところ)は、「吊った」住宅をモスクワに登場させると請け合った。未来のプレミアムな住居は、35mの支柱の上に「吊って」ある。ソ連のアヴァンギャルド建築と「水平の」摩天楼へのオマージュだ。
この家々は、公共スペース――共同オフィス、農場直営市場、新しくできた小さなビール醸造所――に姿を変えたかつてのビール醸造所の上を舞っている。
プーシキン美術館は一区画丸ごと占有する予定だ。ロシアの代表的な美術館のひとつの立て直しと規模の拡張は、レクチャースペースや外の展示、ショップ、クレムリンの素晴らしい景色が見えるレストランがある「美術館都市」全体の基盤を提案している。
ヴォルホンカ通りにあるこの博物館の主要棟は、他の棟と地下通路でつながる予定だ。建築の構想では、プーシキン美術館の建物の主要部分は地下となる計画だ(この地区は建物の高さに制限があるため)。
「美術館都市」は2020年に開催予定。
モスクワの南部、ナガチンスカヤ・ポイマに、ロシアは遊園地を建設中だ。建設主らは、これは世界最大の野外のレジャーパークとなる予定で、2018年末に開園予定だと言っている。「夢の島」の各ゾーンは、それぞれの年齢層に向けられている、いちばん小さい子たちはスマーフたちのところへ向かい、ティーンエイジャーは、ニンジャ・タートルズに空手を習いに行こう。
このプロジェクトはさらに、風致公園を作ることも提案している。これを引き受けているのは、ミラノ地区のポルタ・ヌォーバの有名な「垂直の森」を考案したイタリア人たちだ。公園は全敷地の70%を占めることになる。
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