ノヴォギレエヴォ駅(Novogireevo)
駅の柱と壁には、モスクワ郊外の自然をモチーフにした多色のフリーズの装飾がある。かつてモスクワ州レウトフ町の最寄りの駅であったため、このようなモチーフになっている。
ペロヴォ駅(Perovo)
明るく広々とした雰囲気をつくりだすために、白の色調で設計されている。駅の装飾のモチーフは神話の動物。壁の彫刻石板には、頭部と胸部が女性で体が鳥のスラヴ神話の生き物シリンが描かれているもの、スラヴの予言の鳥で知恵と知識の象徴のガマユンや、ギリシャ神話の力と繁栄の象徴ペガサスおよび地球上の生命の源の太陽が描かれているものがある。
熱情家通り駅(Shosse Entuziastov)
1917年ロシア革命の前、この場所にはウラジミロフカという道が通っていた。この通りを、徒刑地(ロシア語でカトルガ)のシベリアに向けて、徒刑囚が歩いていた。駅の装飾の主なモチーフが、ロシア帝国での自由を求めた戦いになっているのは、このためである。ホールの先には、彫刻「自由の炎」があり、大きな手が鎖を壊している。
壁には、燃え盛る邸宅、サンクトペテルブルクの元老院広場、銃剣、サーベル、ペトロパヴロフスク要塞、ライフル、赤旗など、ロシア革命を描いたパネルがある。
航空発動機駅(Aviamotornaya)
航空機エンジンの設計者に捧げられている装飾である。ホールの端にある金属の彫刻には、上昇気流に乗って飛んでいるギリシャ神話のイカルスが描かれている。
天井は魔法のじゅうたんのようになっている。太陽光線と夜の星の2種類のパネルが黄金のピラミッドを構成している。
イリイチ広場(Ploshchad Ilyicha)
イリイチとは、ウラジーミル・レーニンの父称。ホールにはレーニンの彫刻がある。
だがこの駅の最も興味深い特徴は、赤い大理石製の柱の中に、古代のウミユリ、アンモナイト、腕足類などの本物の化石があるところ。
トレチャコフ駅(Tretyakovskaya)
ロシア美術の一流品が所蔵されている「トレチャコフ美術館」にちなみ、この駅名になっている。駅の壁は、ロシアの芸術家、彫刻家、イコン画家の銅の浅浮き彫りで飾られている。
エスカレーターの上部には、トレチャコフ美術館の巨大な彫刻がある。
戦勝公園駅(Park Pobedy)
モスクワ地下鉄の駅で最も長いエスカレーター(126メートル)がある。駅の装飾は1941~1945年の大祖国戦争(独ソ戦)と1812年の祖国戦争の勝利をモチーフにしている。
ホールの端には、ナポレオンがロシアに侵攻した際のロシア軍の司令官が描かれている。作者はズラブ・ツェレテリ。ホールの反対の端には、大祖国戦争を描いたツェレテリの作品があったが、2015年、出口をつくるために撤去された。