「6月にクリスマスツリーだ」

 6月に雪、モスクワで嵐、シベリアで猛暑。2017年はロシア人へのサプライズが多い。ロシアの科学者は、地球温暖化によって、これらの異常気象が引き起こされていると考える。
Moscow
モスクワで5月29日、雷雨をともなう嵐が発生した。最大瞬間風速は28~30メートルに達した。=  エフゲニー・オディノコフ/ロシア通信

 ロシア北西部のムルマンスク市の市民は6月22日、嬉しいニュースを聞いた。雪がやみ、気温が4度まで上昇したのである。市民はホッとした。大雪が降る前日、市民はマンションが寒いと不満を言っていた。6月は夏季であるため、セントラルヒーティングはオフになっている。

 ムルマンスクでは6月に雪が降るのは普通だと思ったら大間違い。ロシアで最も北で最も寒い街の一つであるが、6月下旬に雪は降らない。今年、天候がらみのサプライズは多い。

 

自然の猛威が首都を襲う

 ムルマンスク市とは異なり、モスクワ市は北極圏内ではないため、6月に雪は降っていない(とりあえず今のところは)。だが戦勝記念日の5月9日、悪天候により、地方の当局員は飛行機をキャンセルしなければならなかった。5月12日、交流サイト(SNS)フェイスブックのユーザーの一人は、青々と茂った木に雪が積もっている写真を投稿して、隣人に皮肉な祝いを述べた。「2月100日です、同志!記念日!」

 モスクワの天候は今春、晴れからどんより、どんよりから晴れと何度も変わったが(どんよりの方が多かった)、5月29日は春の中で一番大変な日であった。この日、大嵐がモスクワを襲い、強風で木が根こそぎ倒れ、建物の屋根はめくれた。これは文字通り自然災害で、18人が死亡した。これ以降、6月15日に気温が10度まで下がり、138年ぶりの寒さを記録したサプライズなどは、驚きにならなかった。

 

あちこちで

 2017年、ロシア各地で天候がおかしくなっているようだ。あちこちで雪が降っているということではない。母なる自然ははるかに巧みだ。たとえば、ムルマンスク市で雪がやんだと思ったら、東シベリアは猛暑になった。クラスノヤルスク市の気象学者オクサーナ・サリニコワ氏によれば、市の気温は6月21日、37度に達し、過去最高になった。

 ロシア南部では雨が降り、地元住民を困らせている。北オセチア共和国の行政中心地ウラジカフカス市は、5月初めに”ヴェネツィア”になった。通りは浸水し、動こうとする自動車は船か潜水艦のようだった。大雨がやまなかったため、数百人の住民の暮らす山岳地の村は、文明から切り離された。泥流が「本土」とつながる橋を壊してしまったのである。「水もない、ガスもない、電気もない。今の暮らしの状態」と村の女性は言っている。連邦非常事態省は市民を避難させている。

 天候は地域によって異なるが、特殊な現象をともなっている。「酒とクリスマスツリーを用意しよう、新年の祝いの時だ」と、6月にまるで雪が降ったかのようにヒョウで覆われたチタ市の運転手は、友だちにコメントした。ウラル地方では、アメリカのアリゾナ州の砂漠で発生するような未曽有の竜巻が目撃された。モスクワの嵐の時のように死者が出なかったのは幸いだ。だが疑問がある。何が起こっているのだろうか。

ウラル地方のタタルスタン共和国では、未曽有の竜巻が目撃された。=写真:SNS/ Global Look Pressウラル地方のタタルスタン共和国では、未曽有の竜巻が目撃された。=写真:SNS/ Global Look Press

 

地球温暖化に挨拶

 ロシアの科学者は、現在の異常気象が大気の前線と密接に関係していると考えている。ロシア水文気象学センターのドミトリー・キクテフ副センター長の説明によれば、地球温暖化により、北極からの寒波と南からの熱が交わることなしに大気を通り抜けやすくなっているという。これで天候が暑さから寒さ、寒さから暑さへと変わりやすくなるのだという。「気候はより『神経質』になっている」とキクテフ副センター長は「コメルサント」紙に話した。そのプロセスを今、体感している。

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