ロシア製ゲーム、近年の名作5選

エヴァーラスティング・サマー=

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 サイケデリックなレーシング、ダークなRPG、ピオネール・キャンプのヴィジュアル・ノヴェル――テトリスばかりがロシア製ゲームではない。

 ロシアのゲーム産業にはロシア人自身さえ懐疑的だ。コンピューターゲーム開発者ドミートリイ・ノジュニン氏の2013年の記事によれば、悪徳業者らはロシア製ゲームをその英語版の箱に入れて売っていた。ロシア語のタイトルだと売り上げが落ちたのだ。ロシア市場における大抵のプロジェクトはレベルが低かった。ゲーム評論家イーゴリ・リュバヴィン氏によれば、要因は資金不足だ。「西側諸国ではゲーム産業はもはや芸術の域に達しているのに、こちらでは未だに子供のおもちゃだ」とリュバヴィン氏は言う。

 ただ、稀に飛びぬけた傑作が出ると、すみやかにカルト的人気を博することがある。今のユーザーの間で一番有名なロシア国産ものといえば、やはりマルチユーザー・プロジェクト「ウォー・サンダー」だろう。第二次世界大戦の戦車や飛行機による戦争ゲームだ。本作は手軽かつ奥が深いので人気を博し、全世界の720万人がプレイした。しかし、良質でいながら脚光を浴びなかった不遇なロシア製ゲームもあった。以下に5点をご紹介する。

 

1、ブリッツクリーク(電撃戦)

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 ロシアでは第二次世界大戦の記憶が非常に色濃く、多くのゲームが40年代を舞台としている。ウォー・サンダーにはもう飽きたというあなた、2003年のリアルタイム・ストラテジー「ブリッツクリーク」をお試しあれ。実は本作にストラテジー(戦略)要素は少なく、基地造営さえない。その分タクティクス(戦術)が重要になる。いかに上手く、機動的防衛を組織し、市街を急襲し、火力ポイントを制圧し、弾薬を積んだトラックを前線部隊に届けるか、その能力が問われる。

 

2、エヴァーラスティング・サマー

報道写真報道写真  引きこもり青年が主人公のヴィジュアル・ノヴェル。冬のある日、バスでうたた寝した青年が、目を覚ますとそこはソビエト時代のピオネール(ボーイスカウトのような少年団)のキャンプだった。恋とエスカピズム(現実逃避)、美麗なグラフィックにピオネール式ネクタイを締めたアニメ少女、こうしたものに興味がおありなら、ぜひお試しを。エロ要素は受け付けないという方はどうぞ他を当たってください。2014年以降、本作はオンラインゲームサービス「Steam」でプレイ可能。評価を見ると、「好評」が全体の9割以上を占め、総合評価は「非常に好評」となっている。

 

3、パトロジック

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 資金不足の典型例。バグ、粗雑なグラフィック、使いにくいインターフェイスが目立つ。にも関わらず、本作はロシアの権威ある専門誌LKI(ルーチシエ・コンピューチェルヌィエ・イーグルィ)およびポータルサイトag.ruにて2005年の「今年のゲーム」に選ばれた。ペストで死に絶えつつある町の、神秘的、かつダークなRPG。発表当初から傑作との呼び声が高かったが、リアルタイムでプレイできなかった人たちは、2016年11月を待ってほしい。今秋、テクニカルな欠陥を修正した改訂版が発表されるという。

 

4、ヴァンガーズ

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 本作については、あるゲーム評論家の言という、「LSDを摂取した後で車の運転のテストを受けるようなゲーム」という文句が、ロシアのネット上ではよく語られている。「ヴァンガー」らの跋扈するシュールな世界をよく言い得た評言だ。理性を半分失った、半人半虫の生き物が、損われた惑星の「存在のスープ」で煮込まれる。ゲームの進行は1998年のアーケードゲームとしては一風変わったもので、行動の自由、ロールプレイングの要素、超未来的マシーンに乗っての戦闘などが混合している。「マインクラフト」に遥か先駆けて、ボクセルベースのレンダリング技術が使われている。2014年からは本作のリメイク版がSteamで販売されている。

 

5、スペース・レンジャーズ2:ドミネーターズ

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 「かけ離れた複数のジャンルを混合させた、2004年としてはユニークなもの」とイーゴリ・リュバヴィン氏。「当時としては全く新しいものだった」。33世紀の宇宙を生き残ることが出来るのは、アーケード式バトルの局面においては素早くキーを打ち、ターン制ストラテジーの局面では5手先を読むことができるレンジャー(傭兵)のみだ。ロール(役柄)の進行やキャラクターの漸次的レベルアップ、倫理的な葛藤――こうした側面はRPG以外の何ものでもない。しかし略奪、売買、宇宙船同士の戦いはターン制ストラテジーモードで行われ、各惑星におけるバトルはリアルタイムで行われる。ハイパースペース航行は古き良きアーケードゲームを思わせるし、一方にはヴィジュアル・ノヴェルの先駆けをなす、テキスト形式の物語進行もある。さらに本作は、独特の空気感、ユーモア感でも知られる。銀河航路におけるビールの投機的売買であれ、新たな星系への襲撃であれ、奇怪な生命体(ペンチェクリャクと呼ばれる)の餌付けをめぐる難問であれ、すべての課題が、軽妙かつアイロニカルな形で出される。英雄的情熱などというものは「スペース・レンジャーズ」に求めるべきものではない。

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