ロシアの自殺件数は14年連続で減少している。これを「ロシア連邦国家統計局」の2015年のデータが証明している。昨年の自殺件数は2万4982件で、2014年と比べて6.2%少なかった。1956年以降のデータによると、これはここ50年でもっとも低い数字となる(1956年より前は、ソ連では全国規模ではなく個々の都市で自殺件数が記録されていた)。
専門家は、自殺件数を、酒の入手のしやすさ、生活水準と比較する。ミハイル・ゴルバチョフ政権と反アルコール・キャンペーンが始まった1985年から数年で、自殺件数は40%低下。だが国の社会・経済状況の悪化により、1980年代終わりに向けて再び増加する。
ソ連崩壊、市場変革、チェチェン戦争、国民所得減少の結果、1994~1995年の自殺件数はピーク値に達する。自殺者数は毎年6万人以上となり、10万人あたりの自殺係数は41人で、「世界保健機関(WHO)」が高程度の自殺水準と位置付ける「10万人あたり20人以上」の2倍になった。
だが2002年以降、自殺件数は再び減り始める。2010年までには、ソ連で反アルコール・キャンペーンが行われていた1980年代半ばの自殺件数まで減少する。そして2014年、10万人あたり20人以下という、WHOの中程度の水準まで下がった。
10万人あたりの自殺係数が最も高い地域は、最も低い地域の実に90倍になっている。
昨年、85地域のうち37地域で高い数字が記録されている。どこよりも北部、ウラル地方、シベリア、極東で多く、ワーストはアルタイ共和国、ザバイカリエ地方、ユダヤ自治州、ブリヤート共和国、ネネツ自治管区である。
一方、18地域で低い数字が記録されている。ここに入るのはモスクワ、サンクトペテルブルク、南部の複数の州、北カフカスの共和国である。
WHOの2012年の調査では、10万人あたりの自殺標準化係数がワーストからガイアナ(44.2人)、韓国(28.9人)、スリランカ(28.8人)、リトアニア(28.2人)、スリナム(27.8人)と続いている。ロシアは14位(19.5人)だった。日本は18.5人で17位。
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