新年は緊急事態なり

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 新年を前に、ロシア連邦非常事態省の幹部は従来通り、自分の安全により注意を払うよう、国民に呼びかけている。それでも、大みそかや1月の休暇中、救助隊員は強化体制で活動しなくてはならない。

 ウラジーミル・プチコフ非常事態相にとって、1月1日とは2つの祝日である。元日というだけでなく、自身の誕生日でもあり、いつも職場で迎えている。「私は通常、国家危機状況管理センターで年越しをする。年が明けたばかりの時間、各組織の即応体制を調べる」とプチコフ非常事態相。非常事態省の隊員は大みそか、強化体制で活動し、必要に応じてそれぞれの市民を助けにかけつける。

 

年末年始→花火→火災

 消防士は年末年始の火災件数の増加を予想する。ロシア人は花火大好きだが、安全規則の順守を優先しない。花火を選ぶ時、製造日や製造場所を見ないし、自分のすごいところを見せようと、打ち上げ花火を手に持ったりする。すると火の玉はアパートや車に飛ぶ。これらの”実験”の後、消防士は燃える建物の火消しをしなければいけなくなるし、失敗した花火ファンは病院へと運ばれる。

 もう一つの新年の心配ごととは、閉じてしまうアパートのドアである。通常は一人暮らしの年金生活者が被害者になる。新年の鐘が鳴る前にアパートからゴミを捨てに行ったり、サラダや塩漬け野菜を取りにバルコニーに出たりした時に起こる。サンクトペテルブルクではこんな一件があった。中心通りのネフスキー大通りの建物に暮らす82歳のお年寄りの女性が、大みそか、塩漬け野菜を取ろうと、薄いローブ姿でバルコニーに出たところ、ドアがバタンと閉まってしまい、自分で開けて中に入ることができなくなった。非常事態省の隊員を呼んだのは、女性の叫び声を聞いた通行人だった。

 

立ち往生して年越し

 大みそかに道路で車が立ち往生することも現実的だ。これがロシア北部や辺境の地だとなおさらである。サハリンでは4年前、数十人の島民が道中で年明けを祝うことになった。猛吹雪で道路にたくさんの雪がたまり、50台ほどの自動車と、3台の路線バスが立ち往生した。運転手や乗客は近くの村への避難を余儀なくされた。

 従来から、救助隊員の冬季活動リストには、窮境に陥りやすい釣り人の状況の監視がある。11月初めの薄氷の時期から、北部ではもう少し早い時期から、氷上にあがり始め、釣りを春まで続ける。釣り人をのせた氷塊は徐々に分離し、海洋へと進む。そうなった場合は救助隊員がボートを出すか、あるいはヘリコプターを使う。

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