週末、プロフィール写真にフランス国旗を掲げる動きが広がり、フェイスブックのロシア語界では議論が巻き起こった。
ダブルスタンダードとはこうだ。ロシア「コガリムアビア航空」のエアバスA321型旅客機(9268便)が10月31日にエジプト東部のシナイ半島で墜落した後も、レバノンの首都ベイルートでパリの事件の前日の12日に連続自爆テロが発生(少なくとも43人が死亡)した後も、このような機会は提供されなかった。
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「フェイスブックを見て、僕の友だちのほとんどがプロフィール写真をフランス国旗にしているのが理解できない。だって皆ルーマニアの国旗も、ロシアの国旗も、シリアの国旗も、ウクライナの国旗も掲げてなかったじゃないか」とアンドレイ・グリゴルさんはフェイスブックに書いている。
過度な偽善の行為だと感じている人もいる。
「フランス人の逝去を『悲嘆してるアピール』は、知らないお年寄りのお葬式に勝手に参列して、事情を飲み込めていない遺族や友人の前で、ひどく取り乱して慟哭しているのを見るのと同じぐらい嫌だし不自然。悲嘆が普通で適切なのは自分の親戚や近しい人のお葬式」とウラジーミル・コズロフスキーさんはフェイスブックに書いている。
”フェイスブックのダブルスタンダード”に対抗するために、プロフィール写真にロシア国旗を掲げた人や、「重要な乗客」の写真を載せた人もいた。「重要な乗客」とは、墜落した9268便に搭乗していた生後10ヶ月の女の子。空港で母親が女の子を撮影し、自身のSNS「フコンタクチェ」のページに「重要な乗客」というコメントとともに掲載していた。女の子のこの写真と両親の結婚記念日の幸せいっぱいの写真はこの墜落の象徴となった。
どうやって支持を表明するか、亡くなった人への悼みを表現するかは、する人の自由であり、プロフィール写真をフランス国旗に変えることは一つの方法にすぎず、他の方法より良いも悪いもない。
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「パリのテロの犠牲者に同情してフランスとの連帯を示すことと、9268便の犠牲者に冥福を祈ることを対置させたがる人がすごく多い。これを一緒にしちゃいけないのかな?何が矛盾してるの?紛争の敵同士か何かなわけ?(中略)フランス人とロシア人は全然違うし、嫌い合うことだってできる(シャルリー・エブドの風刺画を理解しなきゃいけないわけじゃなし)。だけど、我々の世俗的な文明社会と対立している狂信的な人間にとって、我々の細かい違いなんてどうでもよくて、だいたい違いなんて理解されていないし、我々の誰をも殺す用意がある。だから、我々すべてにとって、彼らは共通の敵で、我々は皆どう違おうとこの戦いの仲間なんだよ」と映画プロデューサーのサム・クレバノフ氏はフェイスブックに書いている。ちなみにシャルリー・エブドの風刺画の話とは、9268便の墜落に関する風刺画3枚のことである。シャルリー・エブドが相次いで掲載し、ロシアで物議をかもした。
「私のプロフィール写真は支持、連帯、悲しみ。そしてこれは私の選択(一部の人が言ってるような群集心理じゃない)。シナイ半島で旅客機が墜落した時は、教会に行って祈り、ロウソクをともしてきた。これも私の選択」とエレーナ・バイミャシキナさんはフェイスブックに書いている。
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