整形外科医のメスの下に横たわる

Shutter Stock/Legion Media撮影
 一部のデータによれば、ロシアの美容整形外科医数は2000人を数え、うち一部の医師の元では1ヶ月前から予約が入っている。原則的には、ロシア人のほぼ70%が手術によって外見を変えることに反対しているが…。

 ロシアでは美容整形手術に対する考え方が明らかに悪化した。独立調査機関「レバダ・センター」の2014年8月の世論調査によると、ロシア人の68%はメスを使用して外見を良くする可能性に否定的である(2006年にこのように考えていた人は45%だった)。わずか7%が将来的に美容整形手術を受ける可能性があると答え、73%が自身のこのような可能性を除外した。

 

美しさを求めるのは世界共通

 66歳のマルガリータさんはこう話す。「私は14年前にフェイスリフトの手術を受けたが、今でも実際の年齢より若く見える。鏡を見るのが怖くなったので、自分自身のために行った。まわりの人は私の変化を理解をもって受け止めてくれた。女性なら、スターであろうと販売員であろうと、口にはしないけれど、美しくなりたいと思っている」

 フェイスリフト、鼻の手術(低くする、形状を変えるなど)、胸の矯正、若返り、脂肪吸引は、世界でもそうであるように、ロシアでも人気が高い。「国際美容外科学会(ISAPS)」のデータによると、ロシアは世界の上位8位には入っていない(TOP8は上からアメリカ、ブラジル、韓国、メキシコ、日本、ドイツ、コロンビア、フランス)。しかしながら、ISAPS 2014のランキングによると、ロシアは美容外科医の人数で世界第7位(2000人)。

 「ロシア整形・再建・美容外科医協会」の事務局長である開業医のコンスタンチン・リプスキー氏はこう話す。「これらの人々は自分のことを美容整形外科医と呼んでいるかもしれないが、実際のところ、数は100人程度だと思う。当協会には正式に資格のある専門家が600人いる。残りの人はどんな人かわからない」

 リプスキー氏によると、美容整形外科医とは美容を目的とした手術を行う医師のみであって、その助けを借りて人々が普通の生活に戻れる場合だという。このような手術には高度な専門資格が必要とされる。

 

地域的な特徴

 協会は同様に、処女膜の再生手術を専門とする医師に対しても、この手術が美容整形手術には属さないと考えることから、懐疑的な見方を示す。

 エレーナ美容整形外科医はこう話す。「処女膜を再生する手術は、国内のイスラム教系の地域やアルメニア、グルジア、アゼルバイジャンなどのカフカス地域でしか人気がない。このような地域では花嫁が純潔でなければならないという、強力な伝統がある。結婚式の前に、母親が娘を連れてくる場合もある。そうしないと娘が結婚できないとわかっているから」

 カフカスの男性の間で非常に人気の高い手術が鼻だ。「彼らには、鼻の形状に関連した呼吸の問題がある」とリプスキー氏。

 ラジオパーソナリティのダリヤさんはこう話す。「風邪で苦しめられたから、鼻の手術を受けた。だけど残念なことに、声に少し影響を及ぼしてしまい、最初は同僚も私の声だと気づかなかった」

 

1日に1件の美容整形手術

 ロシアでは美容整形手術はまず、裕福な人の多い都市部で需要があると、専門家は説明する。具体的にはモスクワとサンクトペテルブルクであり、残りの地方ははるかに及ばない。

 「整形手術に費やされた金額は給与水準に比例している。手術を受ける人の人数は国の状況を反映している。例えば、昨年は大幅に手術の件数が減った」とリプスキー氏。

 昨年、世界では964万5395件の美容整形手術が行われ、女性が824万5769回美容整形外科医のメスの下に横たわった。ロシアでは公式な計算が行われていないため、このうちどれほどが国内の数字なのかはわからない。

 「良い医師は1日あたり1件以上の手術は行わない。年間の診療日数を計算すると、平均で年間約200~250件の手術が行われていることになる」とリプスキー氏は説明する。

 このようにして、2000人の医師は年間最大で50万回の手術を行うことができるが、実際の数字は25万回を少し超える程度だ。

 

*以下のデータを参照(露語) 

レバダ・センター

国際美容外科学会(ISAPS)