シベリアのアクセス困難な地域で走っている診療所列車

テック
ロシア・ビヨンド
 都市から100km以上も離れた奥地の小集落の住民たちは、列車で医療を受けることができる!

 クラスノヤルスク地方を巡る列車に、「ドクトル・ヴォイノ・ヤセネツキー(成聖者ルカ)」号がある。この列車では健康診断が行えるほか、各種検査、レントゲン、超音波検査が可能で、歯科医までいる。

 医療保険証があれば診察が無料なのは、国内の他の診療所と同様。唯一の違いは、この「診療所」は奥地の集落に1~2日間のみ滞在し、列車内で診療するという点だ。

 これはロシア鉄道公開株式会社とクラスノヤルスク地方の共同プロジェクトで運行されている列車である。昨年、列車「成聖者ルカ」号はクラスノヤルスク鉄道の81の駅に停車し、1万2千人以上が受診した。

 ロシア鉄道は2024年中に医療列車「聖パンテレイモン」を極東で運行開始予定だ。この列車は放射線診断用車両や機能診断用車両、手術用車両、ラボ用車両などを想定している。

 また、遠隔地には複合医療設備を搭載したロシア鉄道の自動車もやってくる。特殊なプラットフォームに載せて最寄りの駅まで移動したあと、自走して目的地まで走る。2023年には、こうした複合医療車を11万7千人が受診している。その殆どがシベリアと極東地域である。

あわせて読みたい:凍てつく冬、ロシアの列車はどのように運行されているのか?>>>