ラトニク軍装のボディーアーマーはどれほど丈夫か

Konstantin Mikhalchevskiy/Sputnik
 このボディーアーマーは最大10発の徹甲弾の直撃に耐えられるというが、本当だろうか。

 9月半ば、モスクワの射撃場でロシア・ビヨンドのチームがラトニク軍装のボディーアーマー・プレートの性能をテストした。 

 テストの目的は、実際にボディーアーマーがどれほど丈夫か、ドラグノフ狙撃銃による銃撃にも耐えられるという謳い文句は、軍や兵器収集家、ガンマニアに軍装を売り込むための単なるマーケティング戦略ではないのか調べることだ。

 

アーマー・プレート「グラニート」のテスト

 アーマー・プレート「グラニート」の内部はセラミック複合体の板の層と複合基板を合わせた構造になっている。一方で外層はゴムで覆われ、アラミドでコーティングされている。外層で衝突した弾丸を破壊し、内層で破片を受け止める設計だ。

 これはロシア軍の兵士全員に必須の装備だ。開発者らによれば、5Aクラスのアーマー・プレートは、ドラグノフ狙撃銃から発射された弾丸の直撃を最大10回受けても着用者を保護できるという。

 我々は軍の放出物資店でこのアーマー・プレートを100ドルで購入し、これがNATOの標準的な弾薬を使った複数回の銃撃に対してどれほど効果的か、そしてどれほど耐久性があるかテストした。 

 主な目標は、アーマー・プレートに.50 mm徹甲弾を浴びせてマリアナ海溝並みの穴を開けることではなく、民間用の銃弾を一発ずつ撃ち込み、破断するまでにどれほどの弾丸を吞み込めるか調べることだ。 

 ボディーアーマーは非常に信頼できることが分かった。最初は拳銃弾で、それから次第に威力を上げ、最後はライフル用の.308ウィンチェスター弾や7.62×54 mm弾で同じ箇所を繰り返し撃った。

 セラミック複合体の板の層を破り、アラミド・コーティングの内層に達することができた。

 しかし、アーマー・プレートはそれでも効果を失わず、被弾していない箇所を撃ち続けても弾丸を受け止め続けた。

 最大のダメージを与えたのが.308ウィンチェスター弾を使用するベルギーのFNスカー・アサルトライフルだった。セラミック複合体の板の層を破壊し、ほぼ裏側まで達した。もしボディーアーマーを着用していれば、銃弾の先端が突き刺さるのを感じたに違いない。重度の打撲傷や内臓損傷は避けられなかっただろう。だが死にはしないはずだ。 

 テストの結果、開発者らが言う通り、アーマー・プレートにはさまざまな銃による複数回の銃撃に耐え得る耐久性があり、しかも効果を失わないということが分かった。

 しかし我々はテストを続け、ボディーアーマーの限界を調べるつもりだ。近いうちに今回使用した弾薬よりも強力な.338ラプア・マグナム弾に対してどれほどの健闘を見せるか調べてみたい。

 

専門家の評価

 「このボディーアーマーは軍用に量産することを想定している。ドラグノフ狙撃銃による徹甲弾での銃撃に耐えられるが、着弾の衝撃は着用者を殺害するのに十分だ」と特殊部隊教官のアンドレイ・ピスクノフ氏は言う。

 彼によれば、こうした銃撃の威力は肋骨を砕き、着用者は負傷が原因で死亡する可能性が高いという。

 「我々の部隊員にはこのアーマー・プレートは買わない。500ドルの外国製品を買う余裕があるからだ」と彼は説明する。

 また彼の指摘では、着心地にも大きな違いがあるという。「グラニート」はかなり重く、動作の妨げになる。

 「それぞれのボディーアーマーを着用して一日歩き、走り、這ってみると良い。違いが分かる」と彼は続ける。

 しかしピスクノフ氏が指摘するように、「グラニート」は、安価で量産に適し、複数回の銃撃に耐えられる耐久性を持つボディーアーマー(戦場でダメージを受けても、歩兵は着替えることができない)となるべく作られている。 

 「ドラグノフ狙撃銃の徹甲弾による銃撃に耐え、しかも着用者の命を守れる、より高性能で高価なアーマー・プレートがある。我々はそうした製品を買えるため、そちらを買っている」と彼は締め括る。

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