NATO弾薬を使うロシアの特殊部隊用の新機関銃について分かっていること

Mikhail Degtyarev/kalashnikov.ru
 これはスナイパーライフルに匹敵する性能を持ち、軽装甲車両を破壊し得るロシア初の機関銃となる。

 ロシアの兵器メーカーが新しい機関銃OTs-128を公開した。90年代に開発されたPKP機関銃に替えて軍に採用される可能性がある。9月初旬、ロシア・ビヨンドはモスクワ郊外の非公開の射撃場でこの銃を見ることを許された。

 現時点でこの機関銃は国防省の軍事試験を受けており、詳細は機密扱いだ。したがって我々が明かせるのはいくつかの基本的な事実だけだ。

 

なぜそれほど特別なのか 

 OTs-128はNATOの7.62×51 mm弾を使用するロシア初の機関銃だ。これには2つの目的がある。 

 第一に、銃の精度を劇的に上げることだ。

 「前代の機関銃は弾幕を作るために作られた。威力はあったが、精度は低かった。何十発も撃って同じ箇所に弾を撃ち込むことはできない」と特殊部隊の元将校、イワン・アレクセエフ氏は言う。

 彼によれば、新しい機関銃はNATOのスナイパーライフルで広く用いられている弾薬を使用するが、これは最大600~700メートルの短距離射撃でかなり効果を発揮するという。また、特殊部隊用の稀少なアサルトライフルAEK-971と同じ自動安定化システムを採用している。 

 「自動安定化システムにより、AEK-971は特殊部隊に適した敏感な銃となった。一方で銃を抱えながら泥や沼を這う、あまり訓練を受けていない一般の兵士には向いていない。この銃と、どんなことにも耐えられるAKシリーズとの主な違いはそこだ」とアレクセエフ氏は指摘する。

 第二の目的は、この機関銃用の新しい弾薬の威力をPKP機関銃と同等にすることだ。

 「いずれの銃も大口径で強力だ。どちらも攻撃中に歩兵を支援する弾幕を作るのに用いられる。しかしOTs-128の方が精度は高い。さらに戦争の際はこちらの弾薬の方が戦場で手に入れやすい」とアレクセエフ氏は話す。 

 この銃はかなり重い。OTs-128は弾薬なしで7キログラムだ。標準的なマガジンよりも信頼性が高く効果的だと考えられている弾帯を用いる。

 OTs-128は人間工学上の工夫を凝らしたあらゆる現代的な特徴を有している。横折れ式のストックは長さの調節が可能で、身長160~215センチメートルの射手が快適に使用できる。

 上下にピカティニー・レールを備えており、あらゆる現代的な光学装置を取り付けられる。

 アレクセエフ氏が欠点として挙げるのは価格だ。7.62×51 mm弾はPKP機関銃の弾薬よりも高価だという。 

 「この銃自体はさほど量産されないだろう。軍のカラシニコフ機関銃をすべて更新するには行政との強いコネと何十億もの資金が必要だ。現実的でないし、必要もない。OTs-128は特定の部隊によって選択的かつ小規模に購入されるだろう。素晴らしい新兵器だが、革命的な要素があるとは言えない」と同氏は締め括る。

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