ロシアのSu-30SM戦闘機がSu-30SM2「スーペル・スホイ」に改良されることを同国メディアが報じた。最新機は操作性に優れた戦闘機のエンジンとユニークなレーダーを備える。使用兵器の幅も格段に広がり、最新の誘導爆弾と誘導ミサイルが搭載される予定だ。専門家らによれば、こうした改良はロシアの戦闘機の潜在能力を一気に高めることになるという。
改良作業は2027年までに完了する計画だ。航空宇宙軍だけでなく海軍航空隊の戦闘機も更新の対象となる。
ただ、一連の改良作業の対象となるSu-30SMの具体的な機体数は、今後数ヶ月で検討されることになっている。
2015年以降、ロシアの技師らはSu-30SMの戦闘能力を高める準備をしてきた。そして、Su-30SMをSu-35Sにできる限り近付けることが決まった。これを実現するため、新エンジンを備えたSu-30SMの改良版の準備と、現行の「バルス」レーダーに代わる強力な「イルビス」レーダーを導入する可能性の検討が始まった。
改良の一環として、開発者らは、操作性が非常に優れたSu-35SのAL-41F-1CエンジンをSu-30SM2に導入することを目指している。Su-30SMの現行のエンジンに比べ、新エンジンの推進力は16倍にもなる。
「この航空機エンジンは、重さや大きさはそのままに、寿命が倍の4千時間に伸びている。プラズマ点火システムを備え、現行のSu-30SM に搭載されているAL-31FPよりも経済的だ。同じ量の燃料で、より長く飛ぶことができる。さらに、電子機器やレーダー、光学レーダーも改良されている」と軍事科学アカデミーのヴァジム・コジュリン教授は言う。
同氏によれば、こうした変更によってジェット戦闘機の航続距離が伸びるが、これは現代の空中戦において極めて重要だという。
「更新された推進システムにより、まず燃料消費が減る。そして給油量は変えずに航続距離を伸ばせる。改良されたレーダーにより、敵の位置を正確に把握する能力も高まる」と専門家は加える。
ロシア軍のSu-30SMは、世紀の変わり目に国際兵器市場で人気を博した輸出用モデルSu-30MKをベースに開発された。このモデルはインドやアルジェリア、マレーシアに300機以上が輸出された。このプラットフォームを用いることで、ロシアはすぐに国内用モデルを作り、これを量産することができた。
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