SVLK-14SスナイパーライフルとASVKスナイパーライフルは2000年代初頭にロシアで作られた。2キロメートル先の標的を倒せる大口径の銃だ。
ではどちらが優れているのだろうか。そしてその理由は何だろうか。
この銃は精度を最大限まで高めることだけを追求して作られている。
まず、使用弾薬は.408 CheyTac(10.3 mm)弾の強化版で、容量も速度も大きい。可動部品を少なくして精度を高めるため、このライフルにはマガジンがなく、装弾数は1発だ。
ストックはカーボンファイバーでできているが、これはプラスチックとガラス繊維、ケブラーを合成したもので、長さ900ミリメートルの重い鋼鉄製のバレルを持ち、反動の大きな強力弾薬を使用するこの銃の信頼性を高めている。
弾丸は厚さ3センチメートルの金属板を貫通する。敵の体に当たったらどうなるか。防弾チョッキなど意味がない。
この銃はスポーツ用で、究極の射程で撃つものだ。紛争地で戦闘員を仕留める殺人兵器と言うよりは、むしろ贅沢な玩具である。
スムラクはすでにいくつかの世界記録を樹立している。2.5キロメートル以上の遠距離射撃や、4.2キロメートル先の標的の破壊などだ。
重さはスコープを除いても10キログラム近くある。スコープはそれ自体で2~4キログラムだ。
スムラクの価格はスコープを抜いて37000ドルで、ロバエフ・アームズ社のウェブサイトで購入できる。
ASVKはNATOの.50 BMG弾を使うスナイパーライフルに相当するロシアの銃だ。ただし、使用弾薬はやや異なり、ロシア版は17000ジュールの威力を持つ12.7×108 mm弾を使う。この弾は500メートル先の厚さ20ミリメートルの鋼鉄の板をナイフでバターを切るかの如く貫通する。米国の.50 BMG弾と比べて2000ジュール強い。
ASVKはブルパップ方式のスナイパーライフルで、マガジンはストック内にある。
これにより、ライフル自体の長さはそのままに、バレルの長さを増すことが可能となった。
5発入りマガジンを持つ大きくて強力な銃だが、弱点もある。精度が悪く、集弾率の指標が2 MOA(分角)なのだ。つまり、弾が目標から大きく逸れるため、一キロメートル先の標的を狙っても、大きな物にしか当てられない。
スムラクと異なり、ASVKは軍用ライフルで、シリアにおけるロシア軍の軍事行動でも使用されている。この銃は2キロメートル先の軽装甲車や歩兵部隊を撃つのに適している。
「両銃の違いはその用途にある。前者は贅沢なスポーツ用ライフルで、週末を射撃場で過ごす人々のためのものだが、後者は軍用だ。初めて使われたのは2008年8月の南オセチア紛争の時で、軽装甲車で移動する兵員を攻撃した」と以前ロシアの治安機関の特殊部隊(どの部隊かは明かせないとのこと)で狙撃手だった予備役のイワン・アレクサンドロフ少佐は話す。
彼によれば、ASVKは体のどこに当たっても標的を殺害できるよう作られたものだという。車を文字通り止めてしまう火力も持つ。ただし、精度は良くない。
「軽装甲車のような大きな標的も仕留められる。どこに当たっても問題ない。12.7×108 mm弾は車を破壊したり、中の乗員を倒したりするのに十分なダメージを与えられる」と狙撃手は加える。
価格はスムラクと変わらず約37000ドルで、バレットやアキュラシー・インターナショナルなど外国のライバル製品ともほぼ同じだ。
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