「スプートニクV」開発チームが全3段階の臨床試験結果を報告

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 初承認されたロシア製ワクチンの有効性が証明する論文が権威ある医学術誌『ランセット』に掲載された。臨床試験で確認できたこと、できなかったことをできるだけ手短にお話ししよう。

 最初に公式に承認されたコロナウイルス・ワクチンを開発したガマレヤ研究所が、ついに権威ある医学雑誌『ランセット』に臨床試験の全3段階の結果をまとめた論文を発表した。試験には計19866人のボランティアが参加した。ロシアではすでに「スプートニクV」の集団予防接種が始まっており、現時点で15ヶ国がロシア製ワクチンを承認している。これまでに分かったのは以下のことだ。 

  • ワクチン被接種者のコロナウイルスの抗体レベルは、コロナウイルス感染者よりも1.3~1.5倍高い。
  • コロナウイルスに対する抗体は98パーセントの被接種者において、細胞性免疫はすべての被接種者において確認された。
  • ワクチン接種を受けた集団の中で発症したのは16人(全体の0.1パーセント)だった。一方、偽薬の接種を受けた集団で発症したのは62人(全体の1.3パーセント)だった。こうして、ワクチンの有効性は平均で91.6パーセントだと分かった。これは、開発チームが臨床試験の第2段階で発表していた水準(95パーセント)よりはやや低い。
  • ワクチン接種を受けた1611人の被験者が60歳以上だったことは重要だ(うちほとんど半分に持病があった)。この集団におけるワクチンの有効性は平均値よりもやや高い91.8パーセントだった。
  • 多かれ少なかれ、ワクチンの中等症・重症を防ぐ効果は100パーセントだった。
  • 被接種者の集団のうち強い副反応は45例確認されたが、いずれもワクチン接種とは関係がなかったことが独立データ監視委員会によって裏付けられている。
  • 臨床試験期間に確認された死亡例は4件だった。うち3名はワクチン接種を受けた被験者、残り1名は偽薬を接種した被験者だったが、いずれも死因はワクチン接種と無関係であることが確かめられている。ワクチン接種を受けた被験者らは1回目の接種後4日から5日に発症した。研究チームは、亡くなった人は、PCR検査で陰性だったものの、試験開始前に感染していたとの結論を出した。
  • 試験により、ワクチン接種を受けたがコロナウイルスに感染した人の大半が、2回目の接種までに発症していたことを明らかにした(「スプートニクV」はアデノウイルス・ワクチンで、2回の接種が必要である)。つまり、予防効果は1回目の接種から約16~18日目に顕著になる。
  • 「スプートニクV」接種後のアレルギー反応やアナフィラキシーショックは確認されなかった。好ましくない副反応は、風邪の症状、接種箇所の痛み、頭痛、倦怠感だ。こうした副反応は許容範囲内であり、危険性はないと考えられている。94パーセントの被接種者の副反応は軽度だった。 

今後は

 試験結果の最終的な分析はまだ先だ。今のところ1回目の接種後の経過観察期間は48日だからだ。残る課題は「スプートニクV」の長期的な効果、つまり2回目の接種から180日間の効果を知ることだ。これは世界のどの既存のワクチンについてもまだ分かっていないことで、今後研究チームが明らかにしていくことになる。

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