345 TK弾を使用するピストルカービンTK509は、ブローバック式のセミオートマチック銃だ。新弾薬を使用する一方でバレルはスムーズボアだが、長さ305ミリメートルのパラドックス・チョーク(ライフリングが刻まれた部品)によって弾丸を安定させることができる。
銃を製造しているのは、モスクワの800キロメートル東に位置するヴャーツキエ・ポリャーヌィの「モロト・アームズ」社と「テフクリム」社だ。前者が345 TK弾用のバレルを航空機用のアルミニウムで作り、後者が銃の組立てと保護・装飾用のクロムめっき加工を担当している。
軍事科学アカデミーのヴァジム・コジュリン教授によれば、TK509は、銃器市場でAKの主要なライバルとなっている米国のAR-15のプラットフォームを継承し、発展させたものだという。
「AKとAR-15のどちらが良いかについては、過去50年間ずっと論争がある。ロシアではどちらのライフルも需要がある。しかし、2014年以降米国製ライフルの供給に制限がかかり、ロシア企業の一部はAR-15やその派生品を生産するライセンスを購入した。したがって、TK509は米国のAR-15のアイデアを継承し、現代ロシアのスタイリッシュな銃に仕上げたものだ」と専門家は語る。
TK509は標準的なAR-15の部品を可能な限り多く使用している。銃の支持に必要な部品やトリガー機構、そしてストライカーなどがそうだ。
この銃は右利きでも左利きでも使えるようにできている。したがって、使用者は自分でボルトハンドルを右側や左側に付け替えることができる。
しかもTK509には、AKシリーズの自動小銃と違って古典的な照準器がない。光学装置やフロントサイト/リアサイトは、レシーバーとアルミ製のフォアエンドにあるピカティニー・レールに取り付ける。
現時点でTK509一丁の値段は約1300ドル(13万円)だ。
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