ロシアのS-400は台湾に配備される米ミサイルから中国を守れるか

S-400トリウンフ防空システム

S-400トリウンフ防空システム

Sergey Malgavko/Sputnik
 結局のところ、答えはさほど明らかではない。

 米国は最新の空対地ミサイルAGM-84H/K SLAM-ERを台湾に売り込んでいる。これは中国との紛争が起こった場合に非常に重要になる。 

 中国はロシアの有名なS-400トリウンフ防空システムで国土を守っている。 

 S-400は、米ボーイング製の新ミサイルなどの総攻撃から中国を守れるだろうか。

 

イエスかつノー 

SLAMミサイル

 ロシアは2017年に中国にS-400トリウンフ防空システム2基を売り、翌2018年にはすでに配備が始まった。S-400は4発のミサイルを装填した4基の発射装置から成る。計16発の対空ミサイルが、200キロメートル以内の第5世代戦闘機や巡航ミサイルを迎撃する。

 予備のミサイルも考慮すべきだ。契約には、数台のミサイル輸送補給車、レーダー基地、司令部、多様な支援車両も含まれている。

 S-400防空システムは、第5世代ジェット戦闘機、爆撃機、大陸間弾道ミサイル、ミサイル総攻撃などを含む、現代のあらゆる空からの脅威に対処するために開発された。

 軍事科学アカデミーのヴァジム・コジュリン教授によれば、S-400は、米国がすでに台湾に売ったF-16ジェット戦闘機に搭載可能なAGM-84H/K SLAM-ERを確実に撃ち落とすことができるという。 

 だが、重要な注意点がある。

 「まさにコーヒー占いのようなものだ。こうした防空システムは、半径200キロメートル以内のすべての飛翔体を撃ち落とせるようにできている。だが、外国空軍はわざわざその防空圏内に航空機やミサイルを送り込むだろうか」とコジュリン氏は疑問を呈する。

S-400トリウンフ防空システム

 彼によれば、米国はシリアのシャイラット基地を攻撃する際、トマホーク巡航ミサイル用の航路を作り、この地域に配備されていたS-400トリウンフの防空圏を迂回したという。

 「攻撃は防空圏を避けて行われた。そうでなければ、数百万ドルのミサイルのうちの最大95パーセントが迎撃されていただろう」と教授は述べる。

 彼によれば、兵器の性能のみを考慮に入れ、人為的・戦術的な要因を度外視するのは正しくないという

 「どの攻撃も、戦場ごとの条件や敵の防衛状況、自軍の手持ちの武器に基づいている。中国の防空システムは中国全土を覆っているわけではないし、台湾空軍もあらゆる方向から攻撃できるわけではない」とコジュリン氏は補足する。

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