7月12日のモスクワ国立第一医科大学(セーチェノフ名称医科大学)の発表によれば、ロシア製のCOVID-19ワクチンの試験が完了した。発表したのは、ヴァディム・タラソフ氏。同医科大学のトランスレーショナルメディシン・バイオテクノロジー研究所所長だ。
ワクチンを開発したのは、N.F.ガマレヤ名称国立疫学微生物研究センターで、ロシア連邦国防省も参加している。安全性に関する臨床試験は第一医科大学で行われた。
ただし、この臨床試験は、新しいワクチンの安全性のテストが目的であり、その効果の確認は目的に入っていなかった。新ワクチンが市場に出る前に、その効果を調べる別の試験が行われることになるだろうという。
新しいCOVID-19ワクチンは、38人のボランティアでテストされ、これまで使用されたことのない、この新薬の安全性の確認が目的だった。臨床試験は6月18日に始まり、このフェーズでは、研究者たちはまず、ボランティアがCOVID-19に感染しておらず、抗体がないことを確認した。その所期の結果が得られた後で、研究者たちはボランティアを2週間隔離した。
テストの第2フェーズでは、ボランティアは2つのグループに分けられた。最初のグループは、新ワクチンを1回投与され、もう一つのグループは同じワクチンを2回投与された。
研究者らによると、一部のボランティアは、ワクチン接種後の最初の数日、高い熱に見舞われた。にもかかわらず、すべてのボランティアは健康で、気分は良好であり、ワクチンは安全に使用できると、研究者らは述べている。
「試験は成功した。ワクチンの安全性は確かめられた。それは、市場に出ているワクチンの安全性と一致している。このフェーズは成功だ」。アレクサンドル・ルカシェフ氏はこう述べた。彼は、第一医科大学の医療寄生虫学、熱帯性および媒介性疾患研究所所長。
伝えられたところでは、新ワクチンの単回投与を受けたボランティアは7月15日に、二回投与を受けた者は、その5日後の7月20日に退院するという。
なお研究者らによると、ボランティアを隔離する必要があったことから、その隔離が彼らの心理的状態に影響し、その結果、彼らの間で諍いや感情的ストレスが生じた。研究対象となっている者が受けたプレッシャーを緩和するために、心理学者が介入しなければならなかったという。
これについて第一医科大学は、コメントの求めに直ちに応えなかった。
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