4月末、ロシアのプーチン大統領は、5月9日の大祖国戦争(独ソ戦、1941~1945年)終結75周年を記念して、戦勝記念の航空ショーの開催を決定した。
大統領は、他のすべての祝賀行事を延期した。1万4千人超の将兵が、ミサイルや戦車など約300の兵器とともに、モスクワ市中と「赤の広場」を行進する予定だったが、これも行われない。
赤の広場で行事を見る第二次世界大戦の退役軍人も、首都の通りでイベントを楽しむ見物人も、今年はいない。
何をどこで見ることができるか
毎年恒例の軍事パレードの「空中の部」は、モスクワ時間午前10時に始まる見込みだ。モスクワ市民その他の人々は、頭上を飛ぶ航空機を見ることができる。他の人々も、ロシア国防省のウェブサイトとYouTubeチャンネルで、オンラインで見られる。
計75機が航空ショーに参加
ミル設計局の戦闘用および輸送用のヘリコプターが赤の広場の上空を飛ぶ。Mi-8 がMi-26をともない、「空中パレード」を開始。後者は、ロシアその他の軍隊により、世界各地の作戦行動に広く使われている。
これらの「鉄の鳥」に続くのは、攻撃ヘリコプターMi-28sだ。北大西洋条約機構(NATO)のコードネームは「Havoc(ハヴォック)」。これは全天候型の最新鋭の攻撃ヘリコプターで、高速かつ超低空で戦闘行動を行える。
その次に、ロシア製ヘリの他の「空飛ぶ怪物」、Ka-52が人々の頭上を轟音とともに飛翔する。航空機メーカー「カモフ」で開発された攻撃ヘリコプターだ。愛称は、ロシア語で「アリガータル」(ワニ、アリゲーターを意味する)。NATOコードネームはホーカムBだ。この機体は、曲技、アクロバット的な飛行を行える唯一のヘリコプターとして有名。
ロシアでは、Ka-52とその先行型Ka-50「チョールナヤ・アクーラ」(ロシア語で「黒い鮫」を意味)が、特殊部隊の支援ヘリコプターとして選ばれており、Mi-28は主要な部隊の「主砲」となっている。
これらのヘリに続いて、An-124「ルスラン」 が登場する見込み。この輸送機は、量産された航空機としては世界最大であり、NATOコードネームは「コンドル」だ。
ルスランとともに、早期警戒管制機のA-50が飛ぶ。NATOコードネームは「メインステイ」(大黒柱の意味)。
ロシア最高の戦闘機であるMiG-29、So-30SM、およびSu-35Sが、この空中パレードの最後に現れる予定だ。その際、6機の攻撃機Su-25が、ロシア国旗を色つきの煙で描き、パレードを見事に締めくくってくれるだろう。
軍事パレードの「地上の部」は行われるのか?
然り、しばらくしてから今年中に行われる予定だが、ただし新型コロナウイルスの流行が終息してからだ。
その場合は、今年後半に、選抜された1万4千人の将兵が、300台以上の兵器とともに、モスクワ市中を通過するだろう。人々は例年通り、各街路でパレードを見物し、写真を撮り、第二次世界大戦の退役軍人と戦勝75周年を祝うことができる。
*このリンクをクリックして、延期された軍事パレードの「地上の部」がいつどこで見られるかを確認しよう。