シリア領内での無人機の実戦運用試験を経て、ロシア軍は4発の誘導ミサイルを搭載した新型の中高度無人機「オリオン」を導入した。これと並行して、スホイ設計局の新型重無人航空機「オホートニク」も「戦火の洗礼」を受ける準備を進めている。
「オリオン」
「オリオン」は、数百キロメートル先の敵を殲滅できる4発の誘導・無誘導ミサイルを搭載している。
無人機メーカーの「クロンシュタット」は今のところ、「国家機密」と国防省との最終契約締結の必要性を理由に、自社の最近の成功や「オリオン」の軍への納入の開始についてコメントを出していない。
なお、雑誌『アルセナル・オテチェストヴァ』(祖国の軍備)の編集長ビクトル・ムラホフスキー氏によれば、シリアでは無人機「オリオン」が2つの用途で使用された。偵察用と攻撃用だ。
「現在航空宇宙軍では、長距離重無人攻撃機を運用するプログラムが検討されている。将軍らは、新しい部隊が、従来の飛行機と、それと同じクラスの兵器を搭載した無人機とが一つの班で同時に活動できるような混成部隊となることを望んでいる」と同氏は説明する。
新型無人機は、翼下に最大総重量200キログラムの4発のミサイルを取り付けられる。その上、同機は上空7.5キロメートルまで上昇できる。
飛行速度は時速最大200キロメートルだ。バッテリーは24時間持ち、尽きれば格納庫で充電しなければならない。
「オホートニク」
ロシア軍が導入するもう一つ注目すべき兵器が、スホイ設計局の無人攻撃機「オホートニク」(「狩人」)だ。
この無人機は、最新の第5世代戦闘機Su-57のテクノロジーを応用した、未来の無人機のプロトタイプである。
「オホートニク」はSu-57と同様に全翼機であり、このため敵の防空システムに捉えられにくく、より多くの兵器を機体内部に格納できる。
また、この重さ20トンの無人機は、標的に向かって超音速(最大速度時速1000キロメートル)で飛行できる。その上、同機には人工知能を持つ最先端のコンピューターが搭載されており、大半のことは自分で行える。オペレーターの判断が必要なのは、標的に対する武器の使用だけだ。
なお、同機のテクノロジーと搭載兵器の一部は、第5世代戦闘機Su-57と統一されている。
「『オホートニク』の搭載兵器には、空対地ミサイルと一連の爆弾(自由落下型と誘導型)が含まれ、敵のレーダーに検知されにくくするため翼下ではなく機体内部に隠してある」と軍事科学アカデミーのヴァジム・コジュリン教授はロシア・ビヨンドに話す。
シリアでの作戦で使用されたOFZAB-500焼夷榴弾やODAB-500PMB燃焼気化爆弾が搭載される可能性もある。