ワールドカップ2018の開催に合わせて、モスクワ市警のために納入された電動オートバイ「IG Pulsar」の最初の30台。
これらのオートバイは世界最大の銃器メーカーの一つであるカラシニコフ・コンサーン社によって製造されたもので、同社は新たな分野に事業領域を拡げた。
この電動オートバイは2017年に開かれたロシア最大級の軍事技術フォーラム「アルミヤ2017」で初めて公開された。発表されたのは、警察に導入されるものと特殊部隊の作戦で使用されるものの2種類で、いずれもオフロードでも走れる仕様となっている。
ガソリンタイプのオートバイと比較した際の主要なメリットは低音性である。電動オートバイの駆動音は75デシベルとされており、コーヒーメーカーの音のレベルである。
一方、デメリットは速度と航続距離。最大速度は時速100キロほどで、一度の充電での航続距離は150キロ程度である。MotoGPのレースに出場するには足りないが、東南アジアの大規模市場進出を狙うには十分な仕様と言える。
電動タイプのオートバイの燃費は、ガソリンタイプの12倍良い。
しかしカラシニコフ・コンサーン社はオートバイの価格を明示していない。一方、モスクワ市当局は、電動オートバイは現在販売されている欧州製のオートバイより価格が3倍良いとしている。
さらにサッカーW杯に先立ち、警察には「オーヴム」という電動三輪オートバイも導入された。これはモジュール設計方式で作られているので、各部門が要求する仕様に合わせてカスタマイズが可能である。
「オーヴム」のエンジンは電動オートバイのエンジンと似ていて、15キロワットの出力がある。しかし、オートバイと比べて大型である(オートバイが250キログラムに対して500キロ)ため、最高速度は80キロである。
気になるのは、これらのものがいつ一般に販売されるようになるかということであるが、それは今のところまだ未定とのこと。
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