ここ数年、大祖国戦争(独ソ戦)の勝利の祝典は、新兵器初公開の場ともなっている。例えば、2015年には、新世代の軍用重装軌車輌のプラットフォーム「アルマータ」が初登場(戦車「T-14」はこれを基にしている)。その後も、北極圏仕様の兵器システムや、アサルトライフル「AK-12」を持つ空挺部隊が現れたりしている。
ロシア・ビヨンドにロシア国防省筋が語ったところによると、今年の戦勝記念日には、最新の装甲戦闘車両(戦車支援戦闘車)「Terminator-2」(BMPT-72)が、赤の広場のパレードに初参加する。
「これが国内外へのデビューとなる。それ以前は、シリアでの戦闘で試験し、さらに国際軍事見本市「アルミヤ(軍)2017」の非公開演習場でその火力を実証している。現在、この兵器は完全に準備ができており、来るロシアの主要軍事パレードに登場することになる」。同筋はこう語った。
これは、装甲戦闘車両(戦車支援戦闘車)であり、「9M120 アターカ対戦車ミサイル 連装発射機」を4つ、そして最も堅牢な装甲や防御施設をも貫通する30mm機関砲を装備している。
「しかも、これは半自動で銃火器を操作する。簡単に言えば、この車両が自分で目標に向かって進み照準を合わせるので、乗員は撃つかどうか決めるだけでいい」。国防省筋はロシア・ビヨンドにこう説明した。
これと同時にTerminatorの新バージョンもテストされている。これは軍用重装軌車輌プラットフォーム「アルマータ」による戦車「T-14」を基にしている(つまり現在のT-72ではなく)。そして、57 mmの「AU220Mバイカル」が装備される。
しかし、いつこのTerminatorの新バージョンがパレードに姿を現し、軍に配備されるかは今のところ不明だ。
Terminator-2以外のパレードでの目玉は、専門家らの推測では、北極圏仕様の防空ミサイル・システム「トールM2DT」と「パーンツィリ-SA」だろうという。
「トールM2DT」は、水陸両用の万能車「ヴィーチャジ」をベースにしており、オフロードや湿地、川などの障害を克服し安全に走行することができる。しかもこの車両は、-40度の気温でも容易に作動し、走行できる。
「実際には、新しい『トールM2DT』は、“トレーラー付き”ミサイルシステムのようなものと言っていい。短距離ミサイル発射機が装備されており、最大12kmの距離にある敵のあらゆる航空機とミサイルを撃ち落とせる。これに、乗員の居住ブロックが組み合わされている。そこには、最大4人が余裕をもって収容され、北極圏で問題なく活動できる」。「祖国の兵器」誌のヴィクトル・ムラホフスキー編集長はロシア・ビヨンドに語った。
やはり北極圏仕様の「パーンツィリ-SA」は、類似の万能車をベースにし、これまた類似の居住空間を備えている。これも防空ミサイル・システムだが、「トール」とは異なり、毎秒5000発撃てる30mm機関砲を装備している。
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