モスクワの航空技術者兼写真家アレクセイ・ナガエフさんは、ロシアの航空機の珍しい写真を10年以上撮影している。
ナガエフさんは、北極、カムチャツカ、クリミア、コーカサスなど、ロシア全域で航空機を撮影している。すべて上空撮影である。
航空写真はナガエフさんの活動で重要な位置を占めている。”一撮惚れ”し、やがて注文や飛行機に乗らないかという招待がたくさんくるようになったと、「ロシア・ビヨンド」に話した。
「子ども、女性の美、建築、さまざまな機械を含めて、興味深いものを撮影している。だがすべてを撮る時間はないため、どれかに集中しなければいけなかった。自分にとってそれは何よりも航空機、北極、モスクワだった」
航空機をフィルム撮影するのは複雑で、たくさんの制限がある。ナガエフさんによれば、飛行時間、気象条件、写真家が望まない構図など多くのコントロール不可能な要因があるという。
「乗員が写真の共同作者になることもしばしば。できあがりは写真家のニーズを把握する力、自分のビジョンを生かす力に大きく左右される。パイロットによって飛行角度の正確性は変わるが、航空機には物理的な限界がある」
経験豊富な写真家は、パイロットと航空機が何をできて何をできないかを知っている。だがそれぞれの飛行にそれぞれの特徴があり、過程や結果を予測することはできない。それも魅力なのだとナガエフさん。
「写真は予想以上の出来になることもあるが、逆に見てがっかりすることもある。航空パレードのような、すべてがしっかりと計画されていると思われるイベントでもそう」とナガエフさん。「飛行は何らかの理由ですぐに取りやめになったりする。そうすると、それまでの用意は何だったのかということになる。心の準備をしておかないといけない」
何よりも用意に多くの時間がかかるため、写真撮影はスピーディーな仕事ではない。すべてを整理、調整し、現場に着いたら適切な天候条件を待つ必要がある。「飛行そのものは1時間とか数時間。要因の数によって変わってくる」
撮影は航空機によって変えることができる。窓、駐機場、ドア、ヘリコプターのブリスターなどを介して行うことも可能。天気は出来上がりに大きな影響を与えるものであるため、幸運を含む、さまざまな条件を整えることが最も難しいという。
ナガエフさんの写真展がモスクワの写真センター「アート・ギャラリー」で開催されている。期間は11月19日まで。