プーチン大統領が警告:外国人がロシア人のバイオ試料を集めている

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 ロシアのプーチン大統領は10月30日、「ロシア人のバイオ試料」を外国人が集めており、これに関心を持っていると述べた。

 「皆さんは、ロシア全国でバイオ試料が集められていることをご存じだろうか?それらは、ロシアの様々な地域の、様々な民族のサンプルだ。問題は、なぜそんなことが行われているのかということ」。大統領人権評議会で、プーチン大統領はこう述べた。

 ドミトリー・ペスコフ大統領報道官によると、この情報は、ロシアの特殊機関から得られたものだという。 同氏は、「NGOその他の団体の職員のなかに、そうした活動を行っている者がいるのは事実」と述べたうえ、こう付け加えた。「このような出来事は記録されており、特殊機関はもちろん、大統領もそうした情報を持っている」

 

誰がロシア人のバイオ試料を必要とするのか?

 ロシアのフランツ・クリンツェヴィチ上院議員の推測では、欧米の諜報機関が、ロシアの様々な民族に対して生物兵器を作るために、採取を行っているという。しかし、ロシアの科学者たちは、この説はあまり信憑性がないと論評。

 ゲノムの解析を行うロシア企業「Genotek」のワレリー・イリインスキー社長によると、ロシア人のバイオ試料の採取は、各民族の遺伝的多様性を研究するために必要なのだろうという。

 「私の知る限り、ロシアには2つのセンターがある。1つはモスクワ、もう1つはサンクトペテルブルクだ。これらのセンターは、ロシアの様々な民族のバイオ試料を集め、アメリカの大学に情報を送っている。研究の主な目標は、近年の出版物によると、ロシアの様々な民族の遺伝的多様性を研究し、それらが罹りやすい疾病を含めて民族相互の差異を探り、差異をもたらす要因を明らかにすることだ」

 2017年夏、米国は、ロシア由来の、12のリボ核酸(RNA)のサンプル・コレクションに入札している(*RNAは、ふつうDNA〈デオキシリボ核酸〉を鋳型に合成され、その遺伝情報の伝達やたんぱく質の合成を行う――編集部注)。

 その入札文書には、次のような要求事項があった。「すべてのサンプルは、ロシアで採取された、白色人種(コーカソイド)のものでなければならない」。なお、ウクライナの組織サンプルの採取は、(アメリカ)政府は検討しない、と記されている。入札の目的も述べられていない。

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