今後10〜15年のロシア海軍:どんな巨大船が加わるか?

イーゴリ・バベンコ撮影/TASS
 ロシア海軍は、アップグレードを目論んでおり、いくつかの巨大船舶の建造計画があるが、軍事費への支出が明らかになるまでは、実際にどの程度増強されるかは不透明だ。

 今後2カ月以内に、ロシア連邦国防省は、2018年~2025年の国の兵器調達計画の最終版を作成する予定だ。

 ロシアの政策の重要な目標の一つは、世界の海洋でNATO(北大西洋条約機構)軍とのパリティーを達成するとともに、北極圏での国益を守ることだ。

 そのためロシアは、海軍の艦隊を増強する計画だが、しかし今のところ、実現までにはやや距離がある。

「ロシアに必要なのは、4隻の空母、そして各艦隊ごとの飛行隊、そして、多数の戦闘艦およびそれらを護衛する潜水艦だ。それが実現できれば理想的だが、経済的な現実は、そんな野心的な計画の実現をなかなか許すまい」。イズベスチヤ紙の軍事評論家、ドミトリー・リトフキン氏は、こうロシア・ビヨンドに語った。

 それでも、ロシア海軍にとってとくに重要な2つの大プロジェクトが進行中だ。

新世代の巨大原子力砕氷船、LK-110Ya級「リーダー」

「リーダー」建造は、ソ連時代に建造された砕氷船を更新するための巨額プロジェクトの一つだ。この新鋭艦は、14ノット(約24 km / h)の速度で航行し、最大で厚さ4.4 mの氷を砕くことができる。

 「北極圏は、ロシア経済だけでなく、世界経済の将来の鍵でもある。だから、ロシア政府は、資源採掘から軍事防衛にいたるまで、この地域のプロジェクトに大きな資金を投入している」。リトフキン氏は続ける。

 同氏によると、ロシアの北極圏での経済発展のための、主要プロジェクトの一つは、新世代の巨大原子力砕氷船、LK-110Ya級「リーダー」の建造だ。

 ロシアの艦隊では、いまだにソ連時代に建造された砕氷船が使われているが、「リーダー」建造は、それらを更新するための巨額プロジェクトの一つだ。この新鋭艦は、14ノット(約24 km / h)の速度で航行し、最大で厚さ4.4 mの氷を砕くことができる。2基の原子炉と、複合材料で強化された船首のおかげで、それが可能になる。

 「これは、輸送船、旅客船、軍艦のための“道路清掃業者”になるだろう。氷を切り開いてできる航路の幅は約50メートルにもなる」と、リトフキン氏は付け加えた。

 排水量は8万〜12万トン。北極海航路での救助船としても機能する。

 

超巨大空母

「シトルム」は、“古典的な”空母の規格で建造される。つまり、戦闘機や爆撃機は別として、甲板上には武装はない。全19隻のアメリカ空母と同じく、戦闘艦と潜水艦の艦隊により誘導、護衛される。

 最も期待され、広く議論されている船の一つが、航空母艦「シトルム」「プロジェクト23000E」で、世界最大級の空母となる見込みだ。
 「シトルム」は、“古典的な”空母の規格で建造される。つまり、戦闘機や爆撃機は別として、甲板上には武装はない。全19隻のアメリカ空母と同じく、戦闘艦と潜水艦の艦隊により誘導、護衛される。
 2基の小型モジュール炉「RITM-200」を搭載することで、最大30ノット(55km / h)で航行できる。100,000トンの排水量を有し、吃水は11メートル。乗組員は約4000人だ。

 資金上の問題のほかに、この空母で使用できる戦闘機も製造しなければならない。海軍航空隊用に改造し得る候補がいくつかある。
 その一つ、第5世代戦闘機「Su-57」は、現在テスト中。第4++世代戦闘機「MiG-35戦闘機」も検討されている。これは今年初めて、モスクワ近郊のジュコフスキー空軍基地で毎年開催される航空ショー「MAKS-2017」で公開された。

 さらに、「シトルム」には特別なドックとインフラも必要になる。インフラはまだ建設中なので、「シトルム」関連の総予算は安くないだろう。ロシア国防省が武器調達計画の詳細を確定した後に、数か月以内に、ロシア軍がこうしたプロジェクトを実現できるかどうかが分かる。

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