コードネームUVB-76(MDZhB)の送信所が、再びマスコミの注目を浴びている。無線愛好家の間で「ジュジャルカ」(ブザー)と呼ばれる送信所は、すでに40年以上短波放送を行っており、単調なビービー音やピーピー音を流し続けている。時折、白色雑音に混じって、ロシア人の名前、数字、おかしな言葉を発する男性の声が聞こえる。座標によれば、この不思議な放送はモスクワ近郊の村から行われていたが、現在は発信源がサンクトペテルブルク近郊の沼になっている。
「UVB-76、UVB-76、93882 ナイミナ 74 14 35 74、93882、ニコライ、アンナ、イワン、ミハイル、イワン、ニコライ、アンナ、7、4、1、4、3、5、7、4」のような放送が典型的で、めったにこれを聴くことはできない。放送はここで聴くことができる。
ほとんどはただの白色雑音だが、世界中に関心を持つ愛好家がいる。愛好家は短波を聴き続け、アメリカのテレビ・ドラマ「ロスト」の奇妙な送信機と比べたり、イギリスの映画「アウトポスト」のようなナチス・ゾンビに関する映画の状況と比べたりしている。
この放送で、子どもたちは怖がるかもしれないし、UFOを待っている人は興奮するかもしれない。だが、長い年月が経過し、より合理的な説明が見つかっている。
他の国にこのような放送局があることから、仮説が立てられている。たとえば、イギリスのリンカーンシャー・ポーチャー(呼び出し信号として、リンカーンシャー・ポーチャーという同名のフォークソングの一部が12回流れ、その後女性がコードを読み始める)や、オーストラリアのチェリー・ライプである。
これらはどれも、遠方に信号を送ることのできる低周波である。このような通信種は、船舶、潜水艦、航空機で使用され、地球の裏側にいても拾うことが可能である。放送局が登場したのは同時期、すなわち冷戦で緊張していた東西の関係が若干緩和された時期であり、同じ暗号化原理を使用しているようである。発信者は受信者のみが知るランダムなキーを伝える。他の聴衆にはまったく理解できない。
たとえば、2016年の1年間で、「ビリヤード」、「キッチンの」、「環礁の」、「地理学者」、「バルコニーの」など、約30語が発せられた。
放送局は普段は連続休眠状態で、核爆発が発生した際に、責任者によって活動が始められる、という仮説である。これは「防御線」システム(英語では「死者の手」システムと呼ばれる)の一部、調査所の一ヶ所であり、予備通信システムである。
核爆発の兆候があった際に、放送局はあらゆるセンサー網を監視し、この事実の調査を始める。その後、システムから参謀本部に信号が送られ、回答のない場合にはシステムで命令者が死亡し、「X」デーが訪れたと判断され、報復攻撃を行うよう潜水艦や軍用機に信号が送られる。
40年で放送は何度か中断している。初めて放送が止まったのは2010年6月と考えられている。翌日、何事もなかったかのように再開した。この年、夏までに何度か止まった。2011年には、ロシア軍事司令部が、「防御線」システムは機能しており、戦闘待機の状態にある、と話した。
これは最も退屈な仮説である。放送はロシア西部の軍の通信システムに過ぎない。コード化されたメッセージは軍の下部組織への命令であり、単調なビービー音は周波の間を埋めて誰にも利用させないようにするもの。
2010年、放送を聴いていた人は、発信場所がモスクワ郊外のポヴァロヴォ村からレニングラード州に移ったことに気づいた。ポヴァロヴォ村には、好奇心旺盛な無線愛好家が殺到。森の中で、放棄された銅線用コンクリート柱の一部と、マイクロ回路のたくさんある部屋を見つけた。当時、無線愛好家以外にも、村で放棄された銅を切り取る人がたくさんいた。
極秘任務の仮説を信じる人たちは、この仮説を認めておらず、謎の放送について話しながら、秘密の音に耳を傾け続けている。「こんなのは聴いたことがない。音調は最初に高くなったり低くなったり急変し、その後で電池の切れる古いカセットプレーヤーのように、ゆっくりした音に変わる。ビービー音は急にゆっくりになって、5分ほど消える。何か始まるかと思ったら、始まらない。何かのカチカチ音がして、また強いビービー音が始まる」と聴いている人は話す。
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