原田 親仁日露関係担当大使に聞く

ヴィクトル・ポゴンツェフ撮影/タス通信
 露日関係が向こう数ヶ月の間に活発化すると専門家らは見ている。4月半ばには、ロシアのラブロフ外相が東京を公式訪問。5月初旬には安倍首相がロシアの都市のいずれかを訪れ、伊勢志摩サミットに先立って、プーチン大統領と焦眉の国際問題について話し合う意向だ。今年1月に「政府代表・日露関係担当大使の役職」が設けられ、原田親仁前駐ロシア大使が任命されたのも、おそらくこうした動きと関連している。ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)の記者が原田大使に、新ポストでの課題や露日関係の展望などについて、話を聞いた。

-原田さんは、ロシアとの関係を担当する日本政府の代表すなわち「日ロ関係担当政府代表」の役職に就任されました。このポストは、今年1月に新設されましたが、その狙いは何ですか?

 隣国であるロシアとの間で、平和条約を締結するとともに、幅広い分野で関係を前に進めることは、日本にとって優先的な外交課題です。このように対露関係を重視するとの認識に基づき、日露関係担当の政府代表兼特命全権大使というポストが新設されました

 

-原田さんは、ロシアとの関係を、どういった分野において発展させていきたいと考えていらっしゃいますか?新しい役職における原田さんの課題は何でしょうか?

 政治、経済、文化をはじめ、幅広い分野で日露関係を発展させていきたいと考えています。自分自身は、今後、平和条約締結交渉をはじめ、政治・経済分野の日露間のハイレベルの交渉や協議を担当していくことになります。

 

-先日の露日外務省の次官級協議では、安倍総理訪露やプーチン大統領訪日の具体的時期について協議したのでしょうか?

 プーチン大統領の訪日前に、安倍総理がロシアを非公式訪問することを改めて確認するとともに、今後の日露の首脳対話を念頭に様々な議論が行われましたが,首脳対話の具体的な日程等については今回の協議で議論しておらず、また決まってもいません。

 

-複数の日本のジャーナリストが、プーチン大統領と安倍総理大臣の良好な個人的関係について記事の中で言及しています。原田さんが、在ロシア日本国大使館で大使として勤務されていた際に、両首脳間の相互の敬意やシンパシーを感じたことはありますか?

 自分自身も何度も安倍総理とプーチン大統領の会談に同席しており、両首脳間の会談の様子を間近で見ていますが、個人的な信頼関係が構築されているという印象を持っています。

 

-原田さんは、ロシアで日本の外交団を率いてきたあと、2015年末に、ロシアから帰任されました。ロシアについて懐かしく思うことはありますか?モスクワで生活する中で、友人やお気に入りの場所はできましたか?また、何か夢中になることはありましたか?

 クラシック音楽、バレエ、オペラ観賞が好きなので、大改修を経て2011年に再開したボリショイ劇場をはじめ、様々な劇場でロシアの高い水準の芸術を楽しめたことはよい思い出です。また、ボリショイ劇場の伝説的プリマであり、2015年に惜しまれつつ亡くなったプリセツカヤ、世界的指揮者であるゲルギエフやスピヴァコフ等多くの芸術家と親しく交流したことが懐かしく思い出されます。

 

記事全文(露語)

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