プーチンの4期目はあるのか

AP通信撮影
ウラジーミル・プーチン大統領は、2018年の大統領選に出馬する条件をあげた。4期目の可能性はどれほどか、後継者はいるのだろうか。ロシアの政治学者に聞いた。

 プーチン大統領の2018年の大統領選への出馬は、国内情勢、世界情勢、自分自身の気持ちにかかっている。アメリカのテレビ局「CBS」および「PBS」のインタビューで、どれほど政権にいる予定か聞かれ、このように答えた。「当然ながら、憲法で定められた規則があり、それを私の側から破ることは絶対ない」と、憲法で1人に認められている2期連続で大統領になる権利を示唆しながら、プーチン大統領は述べた。「ただし、この憲法の規則を最大限に活用する確信もない」 

 このように、プーチン大統領はこれまでと同様、一義的な回答はしなかった。国内の総合的な結果次第というのは、昨年12月の記者会見でも述べている。

 プーチン大統領は約束をすることで束縛され、政治的自由を制限されたくはないだろうし、それ以外にも、政権が変わらないことに対する批判をロシアの野党が強めてきていると、独立系政治情報センターのアレクセイ・ムヒン所長は話す。いずれにしても、専門家は今のところ、プーチン氏が次の任期に推薦されるのが、最も可能性の高いシナリオだと話している。

 

「流れの真ん中で馬を乗りかえるな」

 プーチン氏が次の6年も大統領職に就くことを決意し、2024年まで政権にとどまる可能性はあると、クレムリンに近い政治学者で「政治・経済情報会社」の最高責任者であるドミトリー・オルロフ氏は考える。2018年までかなりの度合いで維持される可能性のある、プーチン大統領像を取り巻く社会の信頼性と団結力を考えると、4期目の可能性は高い。

 団結力こそが引退を許さないと、ムヒン所長も話す。これは国際的な圧力が強まる中で維持されるという。「現段階でプーチン大統領はかなり効率的に自身の義務を果たしており、チームはバランスがとれていて、それぞれが適切な場所に就いている。変える必要なんてあるのだろうか。国が社会的、経済的な繁栄に突入したら、プーチン大統領は引退する可能性が高い」とムヒン所長。

 「流れの真ん中で馬を乗りかえるな」というように、悲惨な経済状態がポストを引き渡す理由になることは恐らくないと、独立系国家戦略研究所のミハイル・レミゾフ所長は話す。重要な要素として、プーチン大統領の健康、また意外と変わりやすい社会のムードなどをあげる。「ド・ゴール将軍はかなり人気のあった時に辞任した。だが社会の大部分は将軍にとても疲れていたし、本人はアルジェリアでの敗北を背負いこみ、やるべきことをすでにやった後だったため、辞任した。ウクライナ南東部の情勢がどうなるか、今のところわからない。場合によってはプーチン大統領も同じように動く可能性だってある」とレミゾフ所長。近年、予期せぬ事がかなりの件数発生したため、現在の傾向が将来どうなるかを予測する意味はなく、「状況は多くの点で困難」だという。

 

完全なコンセンサス

 とはいえ、今のところ、社会的なムードが大きく変わるような予兆は見られない。クレムリンに忠実な社会経済・政治研究所基金のアレクサンドル・ポジャロフ研究責任者は、ロシアの世論調査センター「レバダ・センター」の2月のデータで、プーチン大統領の4期目に期待する人の数が2013年12月から2.5倍に増えたことを説明する。2013年12月に他の人物に大統領になってほしいと回答した人は47%いたが、2015年2月には25%まで減っている。

 4期目に期待する人は、さまざまな勢力の中に存在すると、ポジャロフ研究責任者は考える。「今日、議会の野党もプーチン大統領の政策を国内外の舞台で共有している。従来から政府の手法に批判的な共産党の議員でも、概して、プーチン大統領が定めた目標を支持している」。他の大統領を望む声は、今のところどこからもでてきていないという。

 とはいえ、他の専門家は、代わりの適当な人がいないと考えるべきではないと話す。「政界には適任者がたくさんいる」とムヒン所長。「ドミトリー・メドベージェフ首相やセルゲイ・イワノフ大統領府長官のまわりにも一定の期待はある。だがこれは、エリート内のちょっとした期待であって、義務が伴うものではない」とレミゾフ所長。政治家の後継者の話が増えるほど、その政治家に害を与えるという。「そのため、このたぐいのニュアンスやイメージを今は恐れ、回避している」とレミゾフ所長。