=コンスタンチン・ザウラジン / ロシースカヤ・ガゼタ(ロシア新聞)
ウクライナ
プーチン大統領は、ウクライナの経済難をみて、古くからのパートナーを助けたいとの気持ちで、経済的な譲歩に踏み切ったと述べた。キエフ都心で展開されている抗議行動の反露感情については、大統領は、EU(欧州連合)との連合協定の中身をちゃんと読んでいないせいだろうと言った。
「あれに何が書いてあるかというと、市場は開放せねばならないが、金はくれない。貿易とその手続きは、欧州の基準を導入せよ――これでは、産業はつぶれ、農業も発展させられない。ウクライナは、方向転換させられて、欧州付属の農業地帯になってしまう。もっとも、そういう選択が誰かのお気に召すなら、その人の勝手だが」
プーチン大統領いわく、誰もウクライナ国民から“ヨーロッパ・ドリーム”を取り上げようなどとは考えていない。「それは、我々には関係のないことだ。どんな同盟に入るか入らないか、どんな文書に署名するかしないかは、ウクライナ国民とその正当な政権が決めるべきことだから」
露政府の仕事ぶり
プーチン大統領は、露政府の仕事ぶりは“まずまず”で、大きな内閣改造は予定してないと述べた。「政府ではプロが働くべきであって、そういう人材は“市場”で見つけなければならない。いちばんまずいのは、やたらと頻繁に更迭することだ。とはいえ、現在の政府の潜在能力は、まだ十分発揮されていない」
スノーデン氏
米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン氏は、現在ロシアに一時的な亡命を許され滞在しているが、プーチン大統領は、「私は彼とは一度も会ったことはない」と述べた。「私は仕事がたくさんあるし、彼にも自分の考えがある。何をすべきか、どこに住むべきか、といったことだ。とはいえ、私は彼に興味がないわけではない。彼のおかげで、世界中の何千万という人の頭の中がひっくり返ったことだろう――大物政治家たちも含めて」
大統領は、なぜこの、米国家安全保障局(NSA)の元職員が米情報機関に関する機密情報を公開する気になったか、興味を抱いていると言った。「彼はまだ若い。彼は何を持っているか? なんにもない。どこで生活していくつもりなのか?・・・彼は、自分自身のために、そのような選択をした。高潔だが困難な選択だ」
スノーデン氏とロシアの情報機関が協力しているかどうかについて、プーチン大統領は、今までも、またこれからも、そうしたことはない、と明言した。「それについては既に述べたが、今一度、ほとんど専門用語を使って言っておこう。当該方面の活動では、我々は彼と協力していないし、今までも協力したためしはない。彼が働いていた情報機関で、ロシア方面で何がなされているか、根掘り葉掘り聞いたこともない」。こう大統領は言った。
「世界のどこかで炸裂している情報爆弾は、彼が世界のどこかに残していったものだ。彼がどこに、何を置いていったのか、我々は知らない」。プーチン大統領はこう述べた上で、ロシア当局は、スノーデン氏が反米活動を行わないという条件で、同氏に滞在する許可を与えたことに注意を促した。
米情報機関による盗聴について
衛星テレビ局RTVIが、スノーデン氏の情報がもたらしたスキャンダルの後で、ロシアと米国、ドイツの関係はどう変わったかと聞いた。これに対してプーチン大統領は、米情報機関が世界中で盗聴を行っているのは、主にテロ対策のためだと思うと答えた。
「私は誰も弁護するつもりはないが、公正を期して言っておかねばならない。盗聴は、何よりもテロ対策の一環として行われている」。プーチン大統領はこう述べた上で、釘を刺すのも忘れなかった。「お互いに了解し合えるようなルールと合意が、モラル上のものも含めて、必要だ」
グリーンピース
今年9月に、北極圏のペチョラ海(バレンツ海北西部)で、環境保護団体グリーンピースの活動家30人が、北極海での石油掘削に抗議するために、ロシアの海上石油掘削基地「プリラズロムヌイ」に抗議船「アークティック・サンライズ」で近づき、よじ登ろうとして、ロシア連邦国境警備隊に拘束されたが、この事件について、プーチン大統領は、こう述べた。
「私は、自然保護に取組んでいる人を尊敬しているが、自分のPR や利益のために、そういう活動を利用するのは許されないと考える」。
フーリガン行為で告発された活動家たちは、恩赦を受けることになるが、彼らの免責のために特別に書類が作成されることはないという。「この事件は教訓になるべきだ。つまり、我々はいっしょに活動すべきだということで、グリーンピースが共同で有益な活動をするようになってくれればいいと思う」
イランとシリア
イランの核開発とシリアの化学兵器に関する問題の解決は、ロシアのみならず、パートナーたちの成果でもあると、プーチン大統領は述べた。「欧米、中国との協力なくしては、こうした成果は不可能だった。我々の立場は不動で、これらの問題については、国際法にもとづく原則的な立場を貫いている。我々はこれを誇りに思っていいだろう」
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