ゲルは僅か30分で組み立てることができる。20世紀半ばのモンゴルには、寺院と修道院以外、建物はほとんどなかった。モンゴルの 人々は皆ゲルに住み、遊牧を続けていた。
ゲルを組み立てる第一歩は、ハーンという折り畳みの格子を開き、ゲルの壁の部分を作ることだ。
Valeri Stepanjukゲルの内部は、仕切りを使って部屋を作ることができる。
Valeri Stepanjuk今日もゲルはその意義を失っていない。何千人ものモンゴル遊牧民が未だにゲルで生活している。
通常、ゲルの下の部分は4~6個の木製の格子壁でできている。
Valeri Stepanjukモンゴルの村人は頻繁に観光客を迎え入れ、馬乳を出し、馬で山のツアーに連れて行き、地元の羊毛で作ったフェルトのお土産を売っている。
ゲルの屋根はポールと枠になる輪でできている。
Valeri Stepanjukアルタイの村で、人々は平らな屋根の家を建てる。例えばコシュ・アガチの村にはこのような家しかない。
ゲルの内部は、色とりどりのラグで断熱してある。しかし、文明はここにもある。多くの羊飼い達はアルタイのステップでも太陽電池を使っている。
ポールの片側が尖っていて、もう一方にはロープの輪がかけられる。尖った先はトノという円形の枠に挿し、もう片方は格子のハーンに置く。
Valeri Stepanjukフレームと主なポールを設置した後、ゲルの入口にドアが取り付けられる。昔は、フェルト製のカーテンがドアとして使われた。
Valeri Stepanjuk外枠にはフェルトのマットが置かれ(二枚重ねにすることもある)。その上にフェルトを雨や雪から守るための素材が置かれる。
Valeri Stepanjukこれでゲルができ上がった。あとは中に花を置き、家財道具を並べ、新居を祝うだけだ。ゲルは二人でも組み立てられる。
Valeri Stepanjukこれは客用のゲルで、普通のものよりエレガントだ。遊牧民のゲルはもっと簡素。
モンゴルのゲルのドアはいつも南向きだ。時間が分かるように、遊牧民は必ず南向きにゲルを建てる。ゲルの上部の穴から陽が差し込み、その明かりは一日を通して壁を伝っていく。
ゲルの中のどこに日が当たっているかで、時間が分かる。夜明けから夕暮れまではゲルのフレームを構成する29本のポールにより、29時間に分けられる。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。