モスクワのピオネール宮殿は今どうなっているのか?

Yuri Khrapov; Vasily Malyshev/Sputnik
 ソ連時代、この児童のための課外活動センターでは多くの未来の有名人たちが学んでいた。そしてその伝統は今も続いている。2023年、このサークルにいる若き天体物理学者のアルセーニー・アリンキンがカシオペア座の中に新しい星を見つけたのである。

 モスクワにあるもっとも有名なソ連時代の建物の一つが、大々的な修復作業を終え、再び、生徒を受け入れている。

 ピオネール宮殿は1962年に雀ヶ丘に開設された。ソ連時代、ここには、舞踊アンサンブルから航空機の設計クラブまで、ティーンエイジャーを対象とした無料のサークルが数十もあった。

 水泳サークルには1976年のオリンピックで金メダルを獲得したマリーナ・コシェヴァヤがいた。またロシアで最も有名な心臓専門家医のドミトリー・ザテイシコフ教授は幼年時代、「若き医学者クラブ」に参加していた。

 さらにソ連のカルト的女優ナタリヤ・グンダレワは、ピオネール宮殿付属の若きモスクワ市民劇場に出演していた。加えて、宇宙飛行士のセルゲイ・リャザンスキー、翻訳家のダンテ・オリガ・セダコワなど、ここで学んだ有名人は枚挙にいとまがない。

 フルシチョフの「贅沢な建築との戦い」の時代に建てられたこの建物は、ソ連モダニズム建築の最初の模範となった。その設計に携わったのも、若き建築家や芸術家である。

 建物は主となる建物からいくつものパビリオンが延びるような形のものであった。建物には人間による自然の征服を象徴する「水」、「地」、「空」のモザイク画が飾られている。宮殿の周りには公園があり、公園には池がある。建物の中には講堂の他に冬の庭園、プラネタリウム、大きなコンサートホールがある。

 現在、ここにはコンピューター技術、グラフィックエンジニア、ロボット技術、バイオテクノロジーなど、近代的なサークルが増設されている。プログラムの数は1500以上、しかもその90%以上が無料となっている。またここにはサークルだけでなく、数学、自然科学、情報技術などに特化した普通学校も置かれている。

ロシア・ビヨンドがTelegramで登場!ぜひフォローをお願いします!>>>

もっと読む:

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる