パネルハウスから生まれ変わった芸術品(写真特集)

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 ソ連時代の典型的な住宅地は、若いデザイナーにとって多くの美しいものを産み出すアイデアの宝庫となっている。「フルシチョフカ」風指輪をつけたり、小さなパネルハウスで多肉植物を育てたり・・・。

 ロシアや旧ソ連諸国の住宅地にはほとんど画一的なパネルハウスが立ち並び、灰色で一見したところ陰鬱になるのだが、それと同時にまた、心温まるノスタルジックな独特の雰囲気を持っている。(その理由を知るにはこちら)。

 もし自分の家に、ソ連都市部を思い起こさせるようなものを一つ置いてみたいなら・・・、こんなちょっと変わったロシアのお土産品はいかが?

常夜灯

 サンクトペテルブルク出身のデザイナーであるニキータ・アノーヒンは「パネル・アート」の普及者である。彼はパネルハウスの形をした手作りの常夜灯を製作したことで全国に知られるようになった。彼の作品には、現在のところ5階建ての「フルシチョフカ」シリーズと9階建ての「ブレジネフカ」シリーズで、さまざまのバリエーションがある。この常夜灯はコンクリート、合板、プラスティックで作られている。

 そして、間近で見ると、日常生活の一部、花壇の手入れやもちろん好奇心旺盛なネコの姿などがつくり込まれているのが分かる。客の希望で窓の向こうに家族の誰かを「置く」ことも可能だ。

 アノーヒンの影響で、同じように手作りの「パネル」ライトを製作してロシアのSNSにあげる人も現れている

プランター

 アノーヒン作のもう一つのお土産品がコンクリート製の花瓶。花瓶には二つのバリエーションがある。モスクワのネジンスカヤ通りにある伝説的円形建築物をベースにした「丸い蟻塚」と、「フルシチョフカ」パネルハウスの最初のデザインである「1-335」のレプリカの四角いプランターである。

宝石箱

 お気に入りのジュエリーを保管できる「フルシチョフカ」は、文房具や他の小物類を入れる箱にもなる。そして蓋がついたこのコンクリート製の箱はどんなインテリアにもぴったり合う。

スノードーム

 ソ連風のクリスマス・オーナメント。モスクワの職人であるアレクサンドル・ドルギフはちょっと変わったものをネットで販売する「マスト」の設立者だ。そこでは、PO-2コンクリートフェンスがついたバッジから、おなじみの遊具の形をした真鍮のペンダントまでソ連崩壊後の雰囲気を持つあらゆるものが手に入る。

 中にパネルハウスが入っているスノードームはとてもかわいいお土産品である。注文時に依頼すればどんな町の名前もつけてくれる。

ジュエリー

 モスクワ出身のケイト・スナップはニエロと銀を使ってソ連時代の建築やデザインをモチーフにしたジュエリーを作るのに魅せられている。彼女の作品には、「7姉妹」とも呼ばれるスターリン高層ビルが描かれた指輪、レーニン像の指輪、ポータブルスチールフェンスを形にしたペンダントなどがある。

 パネル建築に興味があるなら、パネルハウスの形をしたピアスや指輪が気に入るはず。このピアスは左右非対称で、一つには窓とバルコニーがついているが、他の一つは窓だけとなっている。指輪には依頼すれば何か刻印を入れてもらうことも出来る。

香水

 香水は人間を時を超えて移動させてくれるものである。モスクワを拠点に活動しているスタイリスト、アリーナは「Lilla Katten Parfum」というブランドでアヴァンギャルドな香水をつくっている。

 彼女は「パネルハウス」の「香り」をこう説明している。「コンクリートの壁。食堂で出される甘く熱い紅茶。焼きたてパンの食べ残し。おばあちゃんが家族の健康と幸せを祈るイコンが飾られた部屋の一隅。母がジュエリー、とくに秘蔵の琥珀のビーズを大切にしまっている箱。インクで小指が汚れるボールペンなど。束の間、子供時代に戻してくれるのはどれだろう?」

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