1. Sasha Gapanovich
サーシャ・ガパノヴィチは、極北の街ムールマンスク出身で、自身のデザインを「極北の女性服」と名付けている。彼女のデザインした快適な洋服は、寒い天候にも着ることができる。デザインには、ウールが多用され、ロシア的なモチーフやヴィンテージにインスピレーションを得た手編みのディーテールが用いられている。
ガパノヴィチのコレクションの撮影には、驚くほど美しい厳寒の北方の景色がよく似合う。たとえば、ムールマンスク州にある雰囲気たっぷりの北極の村テリベルカなどで撮影が行われている。この村は、アンドレイ・ズヴャギンツェフのカリスマ的映画「リヴァイアサン」が撮影されたことでよく知られている。
2. Coshè
スヴェトラーナ・コシェは2015年に自らのブランドとアトリエを立ち上げた。コレクションにはレザーを使ったデザインが多い。
Coshèはオーダーを受けて、高級な毛皮のコートを作っている。毛皮で作るコートは寒いロシアでは今でも必要不可欠なアイテムである。Coshèでは、キャップ、レザーのバッグ、ネクタイなど、アクセサリーコレクションも作っている。
3. White Crow
日本の美学にインスピレーションを得たストリート・スタイルが基本のブランド。White CrowのTシャツ、ショッパー、セーター、パーカーはシンプルなライン、簡素なカラーと生地が特徴となっている。
ブランドの創設者であるデザイナーのナタとアントンが最重要視しているのは、快適さとミニマリズム。ちょっとしたフォルムの実験―たとえば、着物がモチーフになったつなぎパンツでさえも、普段着にできるシンプルさである。
モスクワの自社工場では、企業のための独自のグッズ製作を請け負っている。
4. EQ.ONA
ブランドEQ.ONAの洋服は、女性らしさとエレガントさ、また体型を強調するシルエットが特徴。デザイナーたちの哲学は、質のよいものの意味を知っている自信に満ち溢れた女性のイメージだ。
とくに、一風変わったプリント柄のトレンチコート、またデザイナーたちがロシアの寒さにもピッタリだと自信を見せるアルパカとカシミアのコートは注目に値する。
最新コレクションの一つ「東洋の謎」は中国と日本の水彩画や絵柄からインスピレーションを受けている。
5. DISOBEDIENCE
サンクトペテルブルク発の若いブランドで、パンクスタイルのフーリガン風ストリート・スタイルのファッションを展開している。色遣いは基本的に黒と白で、そこにカーキ色が加えられている。
アイテムの種類は多くはないが、組み合わせによって、さまざまなストリート・スタイルを着こなすことができる。パーカー、ロゴ入りのTシャツ、カーゴパンツ、ボンバージャケット、オフショルワンピース、そしてスニーカーもある。
このブランドの最近の「目玉」の一つが、顔全体を覆うプライバシー・マスク。デザイナー曰く、外から顔は見えないが、内側からは見ることも息をすることもできる素材を使って作られている。
6. Osipova Dasha
ダリヤ・オシポワは2016年から「大人の少女」向けの洋服をデザインしている。大人を対象にしつつ、派手な色遣いに花や蝶をあしらった少女っぽいプリントを特徴としている。
デザインはシンプルでありながらも、トレンドに合致している。オーバーサイズの上衣にショートパンツのついたパジャマやノースリーブのトップスが上についたざっくりしたワンピースなどがある。
ダリヤはデザイナーである傍ら、イラストレーターとしても活躍している。自身のデザインについては、「快適で、真に個性的な洋服」であるとし、素朴なデザインに派手なプリントをあしらうことであらゆる規則を破り、「グレーな日常に対抗」しているという。
www.instagram.com/osipova__daria
7. Studio 29
シベリアのイルクーツク州の小さな村で生まれたターニャ・フォミチェワの斬新なブランド。
Studio 29の主な製品は、ニュートラルな色のものが中心だが、大胆な色遣い、派手なプリント、柄を使ったものもある。ブランドの特徴は、ユニバーサルなパンツスーツとコットンのシャツ。
フォミチェワは生まれ故郷の自然にインスピレーションを受けている。たとえば、新たなコレクション「上からの景色」は、シベリア上空を飛ぶ飛行機の窓から見える景色―モザイクのような草原や森、木々の梢、山の輪郭、曲がりくねった川の流れをテーマにしている。