ロシア人写真家で芸術家のイダ・タウベは20年間もチュクチ自治管区に住み、このミステリアスな辺境の地と、そこの先住民族の文化を調査している。彼女はここで友人たち―トナカイ追い、猟師、セイウチの牙の彫刻家、毛皮や革の職人の写真を撮る。それらの写真を見ると、彼女が、チュクチの快活で力強い人々をどれだけ愛しているのかがよくわかる。
「自然や隣人、自分自身と調和して生きて行く秘訣を、ここに住む人々は古代より受け継いでいる」と、イダは言う。「チュクチにいると、これまでの自己や世界に対する見方が変わり、個々人の深さが見えてくるのです」。
我々はこの辺境の地に住む人々により近づいてみた。
展覧会「チュコトカ、基準点」は、モスクワのロシア国立東洋美術館にて、2022年3月10日より4月3日まで開かれる。