ロシアのニセのゴシック建築7選(写真特集)

ライフ
エレオノーラ・ゴールドマン
 中世の塔がついていたり、入り口に騎士像が立っている、このツーリストたちに人気の場所は新しいホテルであり、テーマパークであり・・・ダーチャだったりもする。

1.自動車「ラーダ」を生んだ街にある「ガリバルディ城」

 サマラ州の主要な観光名所の一つが、この巨大なゴシック建築のガリバルディ城である。現地の企業家オレグ・クジチキンさんが2010年に建てたもので、城には父親の名前がつけられている。この城はアフトヴァズ自動車工場があるトリヤッティの近くに位置している。屋根と塔は粘板岩で作られ、入り口には巨大なグリフォンの銅像が建物を「守って」いる。

 ガリバルディ城はホテルになる予定とされていたが、まだ内装が出来上がっていない。しかし、噴水のある花いっぱいの庭は年中無休で開園しており、このゴシックスタイルの城をバックに写真を撮る人が絶えない。とりわけウェディングフォトのロケーションとして人気がある。 

2. 北カフカスのワイナリー、シャトー・エルケン

 高い塔、力強い鉄の門扉、白鳥が泳ぐ小さな湖を持つこの城はカバルダ・バルカル共和国にある。1990年代、ある地元の農家がロシアのワイン産業を発展させようと、フランスのシャトー風の近代的なワイナリーを作ろうと決意した。

 周囲には葡萄園が広がり、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの代表的な品種のぶどうが栽培されている。城の中には大きな試飲ホールがあり、地元のワインのすべてを試すことができる。 

3. ウラルのディズニーランド、サトカ

 チェリャビンスク州の人里離れた産業都市サトカは、ウラルでもっとも人が訪れる場所である。最近、地元の企業家がここに巨大なテーマパーク「ソーニキナ・ラグーナ(ソーニャのラグーン)」を建設したのである。テーマパークの名前は、企業家の娘の名前に由来している。テーマパークは中世の城のように作られており、風車、教会、そして海賊船まである。近くの島には、子どものためのアトラクションやカフェがあり、「古代の」インテリアが設えられたもう一つの城がある。

4. シベリアのお城ダーチャ

 ロシアのダーチャと聞いて、普通はどんなものを連想するだろう?色々な答えがあるだろうが、城のようなものでないことだけは確かである。この信じられない宮殿はシベリアのチュメニの近くにある。しかもこれを建てたのは、裕福なオリガルヒではなく、ダーチャをおとぎ話に変えるのを夢見ていた歯科医なのである。 

5. ロシア南部のプール付きのお城

 ノヴォロシースクの近くに位置するドゥルソ村はロシアのシャンパンとこの中世風の巨大なホテルで広く知られている。ビーチからもその他の都市からもかなり離れているが、1年中、観光客でいっぱいである。訪問客の一番のお気に入りは屋外温水プールである。

6. 極東の廃棄物でできた城

 沿海地方アルチョーム市に住むワレンチナとアレクセイのクリヴォフ夫妻は、建設現場で働いていたが、定年退職を機に、ダーチャの家を城にしようと決めた。柱、装飾、エレガントな屋根・・・このすべてがゴミ廃棄場から持ってきたもので作られているとはとても想像できない。城を建てるにあたり、夫妻は廃棄された建材の残りを通りや隣人から集めたのだそうだ。

7. モスクワ州のウェディングのための騎士の城

 モスクワ州北方のグラゾヴォ村にこの城が現れたのは今から数年前のこと。この建物はウェディング・パーティや企業のパーティなどを開くのに使われている。どのホールにいても、古い騎士の城にいるような気分にさせてくれる。本物の暖炉があり、塔の中にホテルがあり、庭には湖がある。冬には、パーティのついでにスキーをするのが人気である。