想像してみてほしい。花嫁と花婿が広いサッカー場のピッチに立っているが、スタジアムをいっぱいにしているのはファンではなく、2人の友人や親戚である。人気のあるサッカーチームの本拠地の多く(モスクワだと、たとえば、「ルジニキ・スタジアム」「スパルタク・スタジアム」や「ロコモティフ・スタジアム」)は、結婚式会場としてスタジアムを貸し出している。さらに、披露宴もそこで開くことができ、サッカーをテーマにした記念写真を撮ってくれ、招待客のためのエンターテイメントも用意してくれる。もちろん、貸し出してくれるのは、サッカーの試合のない日に限る。
「子どもの頃からFCスパルタクのファンだった。スタジアムで結婚式を挙げるチャンスは誰にもあるわけではないので、それを逃す手はなかった」。モスクワ出身のヴィクトル・ロバノフはこう語っている。
水中の世界をこよなく愛する2人なら、モスクワ水族館で永遠の愛を誓うことが出来る。この水族館はヨーロッパ最大の水族館のひとつで、12,000種類以上の海洋生物を展示している。この水族館でシャチとともに結婚式を挙げるのはいかが?
シックな純白のウェディングドレスを着て動物園の中を歩き回るという、かなり変わった結婚式の挙げ方もある。雰囲気をさらに盛り上げるために、カエルの合唱、トカゲのシューという音や他の動物たちの鳴き声に合わせてメンデルスゾーンの行進曲をかけてもらうことも出来る。
「とても独創的なアイデアだと思ったので、動物園での結婚式が始まると聞いてすぐに申し込むことにした」。2017年にモスクワ動物園で結婚式を挙げた最初のカップルであるマリアとアントンは言う。
あるカップルは自分たちの職場である列車で結婚式を挙げることにした。新郎は列車運転士、新婦は運転助手である。鉄道会社の経営層が2020年2月14日に行われる彼らの結婚式のためにちょっと変わった贈り物として提案したのである。その列車にたまたま乗り合わせた乗客が結婚式の参列者となった。
冬になると、アイススケートリンクで結婚式を挙げることが出来る。招待客は寒くなると、近くのコーヒー屋台まで簡単にスケートで行けるし、新婚カップルとアイスホッケーをして暖まることもできる。イリヤとアナスタシヤは、全ロシア博覧センター(VDNKh)にある役所で結婚式を挙げるつもりであったが、式の数日前に、スケートリンクで結婚式を挙げてはどうかと勧められ、そうすることにした。「スケートリンクでの結婚式ってあまり無いと思う。親戚には別にスケート靴を履かなくてもいいと言ってあったので、ただ眺めている人たちもいた」とこの新婚カップルは言う。
屋上からの景色は素晴らしいので、サンクトペテルブルクではよくそこで結婚式が挙げられる。この街では、屋根の上に登ることはとても人気のある時間の過ごし方だったが、今では、街全体を安全、簡単に見渡すことが出来るよう特別に準備された場所が増えた。しかし、大事なのは、高所恐怖症の人は下を見ないこと!
満点の星の下をそぞろ歩くほどロマンチックなことが他にあるだろうか?それは星空の下の結婚式くらいだろう!モスクワのプラネタリウムで結婚式を挙げる新婚カップルは、オーロラ、星が降る夜空、惑星のパレードを見ながら愛を誓う。そして、自分たちは天上で結ばれたのだと大げさでなく人に言うことができるのである。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。