ロシアのマースレニツァ(バター祭り)へようこそ!(写真特集)

AP
 新型コロナのわら人形を燃やし、巨大なブリヌィを食べ、頭飾りココーシニクをつけて泳ごう!コロナ禍に見舞われた2020年の後、初めて迎える冬に別れを告げるスラヴの大きなお祭りを、ロシア人は最大限クリエイティヴなものにした。

 ロシアの各都市では、毎年、古いスラヴのお祭り、マースレニツァが祝う行事が行われる。マースレニツァとは冬を送り、春を迎える祝日である。お祝いは1週間にわたって続くが、その間、ロシア人はブリヌィ(パンケーキ)を焼き、日曜日にはホロヴォード(輪舞)やそり遊びなどをして楽しみ、最後にマースレニツァのわら人形を燃やす儀式を行う。わら人形を燃やすことで、前年のすべての厄をお祓いすることができると考えられている。

 2021年、ユジノサハリンスク(モスクワから9,300㌔)のマースレニツァのお祭りでは、直径2.5㍍もの巨大なブリヌィが焼かれたと自治体のサイトが伝えている。ブリヌィの重さはなんと15㌔。30リットルの生地が使われたという。焼かれた巨大なブリヌィは、食べたいというすべての人たちに配られた。

ユジノサハリンスクのマースレニツァ

 極東ウラジオストクやその他の都市では、男性たちが賞をかけて、マースレニツァの柱によじ登った。賞品は家電製品や生活用品だった。

ウラジオストクにて
マースレニツァの柱によじ登った男性、ウラジオストクにて

 ノヴォシビルスクでは地元の「セイウチ」(寒中水泳愛好家)たちが水着を着て、足ヒレとスキーをつけて走った後、凍った水の中を泳いだ。「セイウチ」たちは、水着の他に、ココーシニクと呼ばれるロシアの伝統的な頭飾りや耳のついた毛皮の帽子を被った。

マースレニツァを祝うセイウチたち、ノヴォシビルスクにて

 リペツク(モスクワから400㌔)の住民たちは、地域のコロナ感染が1日も早くなくなるようにと願いを込め、いつものわら人形ではなく、コロナのわら人形を燃やした。

 わら人形を使った最大規模のパフォーマンスが行われたのがニコラ・レニヴィネツ(モスクワから200キロ)にあるカルースシカヤ芸術公園。公園ではモスクワのアーティスト、セルゲイ・パホモフのアイデアで、人喰いコロナの巨大な城が、マスクやコロナに関連した様々な物と一緒に燃やされた。

 イベントの実施中は、ソーシャルディスタンスが遵守され、スコモロヒと呼ばれる大道芸人たちが扇であおぎ、群衆を散らせた。

 この公園を作ったニコライ・ポリスキーさんは、「今は皆、新たな感染症のことで頭がいっぱいです。研究者、医療関係者たちがこのコロナをなんとか終息させようと戦っています。わたしたち一般人もできるだけ、それを助けなければなりません。たとえば、マースレニツァで悪いものすべてを燃やしてしまうなどです。わたしたちの場合は、人喰いコロナの城を燃やしました。この城を燃やすことで、感染者を減らし、みんなが健康になるというアイデアです」と述べている

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