1. マルィーシュ(赤ん坊)
このモデルは構造上は三輪車で、完全な簡潔さを体現していた。3つの車輪とフレームは3歳から5歳の子供に最適なものだった。
驚くべきことに、この三輪車の頑丈なフレームは5歳以上の子供が乗っても大丈夫で、大きな子供でもフレームの後部に足を乗せ、ハンドルを握り、キックスケーターのようにもう一方の足で地面を蹴れば進めた。
2. ドルジョーク(友達)
子供が大きくなってマルィーシュに乗れなくなれば、今度はドルジョークの出番だ。マルィーシュよりも対象年齢が高めのこの自転車は、後輪の両側に付けられた追加のフレームに補助輪を付けることもできた。
これに乗れば、幼い子供も痣を作ったり怪我をしたりすることなく自転車の乗り方を覚えることができた。
3. カマ
カマはソ連で最も理想的でスタイリッシュな自転車の一つだった。1970年代半ばに登場し、価格が高め(約100ルーブル)だったにもかかわらず、ソ連ですぐさま大ヒット商品となった。
カマはおそらくソ連で最もデコレーションされた自転車だ。持ち主はシールや反射板など、身の回りにあるあらゆるアクセサリーをフレームに貼り付けた。
この自転車は乗る人の伸長に合わせて簡単に調節することもできた。小さな車輪と低いフレームはいろいろな離れ業をやってのけるのにも適していた。
4. シコーリニク(生徒)
このモデルは1956年に生産が始まり、1990年半ば、ソ連崩壊から5年が経つ頃まで生産され続けた。このモデルが大変な人気を誇った証拠だ。名称は学校の生徒向けに作られていたことに由来する。
5. オルリョーノク(鷲の子)
これは品質とソ連の学童たちの間での人気の面でシコーリニクの最大のライバルだった。
この自転車を買うことはソ連の子供にとって大人の仲間入りをすることに等しかった。曲がったフレームは持ちやすく、自転車を持って階段を上り下りするのに便利だった。
このモデルは持ち主によって改良されることもあり、フレームに小さなエンジンを付けてミニバイクにされることもあった。
6. ウラル
ウラルは非常に耐久性の高いクロスカントリーバイクとして歴史に刻まれた。劣化しづらく、過酷な運転にも適していた。実際、ソ連の人々はこの自転車に乗って缶から木材、パイプ、釣り竿まであらゆる物を運び、その耐久性を実感していた。どんな荷重にも楽々と耐えるのだった。
ウラルはカマのようにデコレーションされることはなかった。おそらく、対象年齢がやや高めだったからだろう。一休みしたい所帯持ちの男性がウラルに乗って自由を手に入れるのだった。
7. トゥリスト(旅行者)
これはソ連で最もエリート向けの自転車の一つだった。持ち主は颯爽と駆け、皆に羨まれた。
トゥリストは長いクロスカントリー用に作られていた。牡羊の角に似た曲がったハンドルは、乗り手が長い道程を速く移動する際に空気力学の点で最適な体勢を取れるようにできていた。
最も大きな特徴の一つが革新的な変則システムで、乗り手の速さに応じて4段階にギアを替えることができた。
加えて、この自転車にはスタイリッシュな革袋が付いており、道具をサドルの下に入れておくことができた。