ロシア人デザイナーが再解釈して生み出した新たな民族衣装7選

 色あざやかなサラファン、ココーシニク、編んだ靭皮靴は教科書や歴史映画でしか見られないと思われているかもしれないが、実はこうしたロシアの民族衣装の多くの要素は、現在のファッションデザイナーたちのコレクションの中にも見ることができる。もっともそのいくつかは、それとはわからない形になっている。

1. ココーシニク

 ロシアの民族衣装のシンボルとなった古くからある頭飾りだが、着用の仕方には意味があった。まずこのココーシニクは既婚女性が身につけるものであった。というのも、既婚女性は髪の毛を他の人に見せてはいけなかったからである。ココーシニクには様々な形、様々な模様のものがあった。ベルベットが張られていることもあれば、アップリケや刺繍、ビーズ、パール、宝石などで飾られていることもあった。 

 現代版のココーシニクは落ち着いた地味な雰囲気の、モノトーンのヘアバンドに似たような形になっており、普段のファッションにもピッタリ合うようになっている。

 ベロアや人工皮革で出来たものやピアスのようなリングやボタン、飾りが付いたちょっとクールなものもある。

2. プラトーク

 ロシアのプラトークも、もう1つの人気のファッションアイテムである。プラトークは17世紀に東洋からロシアにもたらされ、民族衣装に組み込まれた。既婚女性は他人の目から髪を隠すのに、プラトークを使った。またプラトークは現在も、教会へ行くのときには欠かせない。プラトークは芸術品を思わせるようなものもある。鮮やかな花のモチーフやその他の様々な柄が描かれている。

 現在の女性たちも、毛皮やロングコートに合わせて、こうしたプラトークをつけている。しかし、ロシアのファッションブランドは、一色のスカーフやカシミアのものなど、やや少し落ち着いたアイテムを作っている。

 冬には普通のプラトークよりもキルトのスカーフの方が暖かい。 

 雨の日には防水加工のスカーフがおすすめ。

 最近の主なトレンドはエコレザーのスカーフ。

3. ラプチ

 白樺やニレ、ヤナギで編んだ踵の平たい不思議な靴が、1930年代の古代ルーシ時代から使われ続けているとは想像しがたい。しかもこの靴、冬も夏も着用できる。ラプチが使えなくなるまでの日数は3日から10日くらいであった。凍えないよう、靴の中には藁を敷いたり、ウールの靴下を履いた。

 現在、ラプチを目にするには、歴史を再現した催しに行くか、またはブランド「ファクトゥーラ・テプラ」が考案した暖かい季節のための「新しいラプチ」を見つけるかである。「ファクトゥーラ・テプラ」の靴は洗えるクラフト紙で作られているが、数年間は使えるとされている。

 ブランドのサイトには、「使用に共に、革のようにシワになることはあるが、それはこのラプチに素材感を与える。ラプチは非常に軽く、履きやすく、靴擦れを起こさない。網み目の隙間があることで通気性もよい」と書かれている

4. ドゥシェグレヤ

 暖かいダウンジャケットやコートが出てくるまで、ロシアではドゥシェグレヤと呼ばれるアウターが着用されていた。ドゥシェグレヤとは「心を温めるもの」という意味である。ドゥシェグレヤは、ベストまたはウエストまでのカーディガンのようなもので、花や植物の模様がつけられ、女性たちはこれをサラファンの上から羽織った。

 今作られているドゥシェグレヤは、ウエストにアクセントのついた袖のない長いベストだが、それ一枚で着るワンピースのようなものになっている。ロシアのブランド「Onsitsa」はリネン、ウール、ジャガード織りを使い、ビンテージもののボタンをつけたドゥシェグレヤを作っている。

5. ポネヴァ

 既婚女性は頭部だけでなく、足も隠した。丈の長いワンピースやサラファンだけでは不十分で、女性たちはウエストにウールの広いスカートであるポネヴァを巻いた。赤や青が多く、チェック柄やストライプ柄に刺繍が施されたものが多かった。

 現代のポネヴァは黒またはヌードカラーで、刺繍もほとんどなく、どんなモノトーンの洋服にも合わせることができる。

6. ルバーハ

 男性用の民族衣装のもっとも重要な要素の一つがルバーハである。リネンまたはコットンで出来た長いシャツで、腰でしぼり、パンツと一緒に履く。現在、ルバーハにはロシア風の模様がつけられ、すべての男性用に作られている。

 ロシアのブランド「ソーニャ・フ・ツァールストヴェ・ジーヴァ」は紳士用のルバーハを製造し続けている。ただし模様は近代的なプリントになっている。

7. ワンピースとサラファン 

 ルーシの女性たちにとって、丈の長いサラファンを持たないなど考えられないことであった。サラファンは赤いものが多く、模様や刺繍が施されていて、長い袖のついた白いブラウスの上に着た。

 現代バージョンは多くのブランドから出されているが、Levadnaja Detailsもその一つである。ブランドのサイトでは、すべてのワンピースはロシアの木彫にインスピレーションを受けた刺繍で飾られている。

 もう1つ、男性用のルバーハを作っている「ソーニャ・フ・ツァールストヴェ・ジーヴァ」も丈の長いワンピースを作っている。古代ロシアの版画やオーナメントを基にしている。 

 デザイナーのレーシャ・パラモノワさんはブランド「Les’」の名でロシアスタイルでありながら、独特の刺繍やゴブリン織で飾ったサラファンやワンピースを出している。

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