ロシアで気をつけるべきネットとスマホを使った詐欺5つ

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 リモートでお金を騙し取る方法はたくさんあるが、最近ロシアで横行している5つの詐欺を紹介しよう。

 電話はたいてい早朝、寝起きでぼんやりしているときにかかってくる。あなたが口座を持っている銀行員を名乗る重々しい男性の声または不安げな女性の声が、受話器を取るなりあなたに質問する。「今、銀行口座から〇〇市(ロシアの辺鄙な都市)宛てに送金しませんでしたか?」。当然、あなたは送金などしていない。そこで電話の声の主は、今すぐ送金手続きをストップさせないといけないからと、クレジットカード情報を教えてほしいと言う。あなたは詐欺の被害に遭ったかもしれないからと。

 皮肉にも、あなたは事実、詐欺の被害者になったのである。というのも、最近の泥棒は誰かのお金を盗むのに通りで腹部に銃を突き付けたり、あなたのセーフティボックスのコードを盗む必要などなく、必要なのはあなたの銀行から受け取るショートメッセージの中にあるコードだけだからである。そして、それをするには携帯電話があれば十分なのである。電話をかけた人物があなたをうまく信じさせる、あるいはあなたの気が動転したり、慌てていたり、騙されやすかったりしさえすれば。

1. 銀行のセキュリティサービスを装った詐欺(フィッシング)

 メカニズムは至ってシンプル。犯人はたいてい銀行のセキュリティスタッフを装ったプロの「なりすまし」である。やり口は、普段銀行からの電話などかかってこない時間、ちょっと忙しくしている時間などを狙って口座の持ち主に電話をかけ、相手をあたふたさせ、2ファクタ認証の認証コードを言わせるというもの。コードを聞きさえすればあとは単純に犯人はそのコードを使ってあなたのインターネットバンキングに接続し、すぐに送金手続きをするのである。この詐欺も「フィッシング」と呼ばれるものである。なぜなら事実上、彼らは被害者のお金を「釣る」からである。(ハッカーたちはフィッシングをfisingではなく、phishingと綴るが、fをphと綴るのはハッカーたちの習慣で、元来のハッキングの手口であったphone freakingをphone phreakingと綴るのと同様である)。

 対処法:銀行のセキュリティサービスが電話をかけてくることはほとんどない。かけてきたとしても、セキュリティコードを聞き出すなどということはけしてないので、セキュリティを訊いてきたらすぐに電話を切ること。もう一つ大きな見分け方としては、詐欺の場合、犯人は答えにくい質問を浴びせ、スピーディに話を済ませ、相手に考える時間を与えないようにするが、本物の銀行員は急いで話をすることはない点である。

2. 偽のウェブサイト 

H&Mの偽インスタグラムアカウント

 ロシアで非常によくある詐欺の形態。というのも、大半のロシア人は英語の知識がなく、ラテン文字で書かれたウェブサイトのアドレスのちょっとした間違いに気がつかないからである。ほとんどのロシア人にとっては“addrress”も“adrreess”も、“address”に見えてしまう。 

 犯人は何らかの会社を装ったフェイクのウェブサイトやインスタグラムアカウントを何百も作っている。また、数千ものユーザー(偽のユーザーやボットを含む)を使って、コメント欄でそのサイトやアカウントが運営されているかのように見せかけ、フェイクページの登録者の数を増やしている。そして、そのサイトやアカウントの中で、実際には存在しない商品やサービスを提供する。売上を増やすため、彼らは普通、大幅な割引を謳ったり、手数料を少なくしたりしている。被害者が支払いを済ませた途端、彼らは姿を消す。

 対処法:ウェブサイトやインスタグラムアカウントのプロフィールアドレスは常に注意深く読むこと。コメント欄をチェックして、本物のユーザーを装った同じような短いコメントがあれば実在しない会社である可能性が高い。

3. 出会い系サイトを使った詐欺  

 出会い系サイトを使った詐欺は心理操作をうまく使ったもので、フィッシング詐欺と似ている。ただし、出会い系サイトの場合、フィッシング詐欺とは異なり、騙すのに数日、あるいは数ヶ月もの時間がかかる。 

 犯人はサイト上に魅力的なプロフィールを複数作り、高級車や高級リゾート地での休暇の写真などを大量にアップする。そして何度かメッセージのやり取りをした後、その“魅力的なデート相手”はメッセージの交換相手に、恋に落ちたと言って、お世辞やほめ言葉を浴びせ、どこか素敵な場所で一緒に時間を過ごそうと誘いかける。誘われた相手は、夢が叶うことを期待し、その申し出に同意する。しかし、その夢のパートナーは突然、ちょっとした問題があってクレジットカードがブロックされたとか、送金がうまく行かないなどの理由をつけ、すぐに返すから今ちょっとお金を送ってほしいと言うのである。お金を送った瞬間、夢のデート相手は姿を消し、プロフィールもたちまち削除されてしまう。

 出会い系サイトの詐欺の手口は、被害者の性別や経済状況などによりさまざまである。支援を必要とする子連れのシングルマザーを装って、ちょっとしたサプライズのプレゼントをしたいからお金を送ってほしいと言ったり、“買ったばかり”というチケットの写真を送ったり、ホテルの料金を支払ったと言って、シェアした持ち分を返すよう言ったりする。共通点は、被害者は見知らぬ人に、その人の指示でお金を送金するということである。 

 対処法:相手にソーシャルメディアのアカウントを訊き、それが実在する人物かどうか確認すること。また、知り合ってすぐに褒め言葉を浴びせたり、愛の告白をしてきた場合も要注意。疑わしいと思ったときにはビデオ通話したいと願い出てみるのも有効。疑われていると思ったとたん、犯人は姿を消す。 

4. 寄付を装った詐欺 

 もう一つの詐欺は人の親切心につけこんだ偽の寄付金詐欺。インターネットなどで、難病(遺伝病、ガンなど)に苦しむ子供の治療や手術、医薬品のために寄付を呼びかける投稿はきっと誰でも見たことがあるだろう。こうした投稿はたいてい、涙を誘う写真とともに、今すぐに命を救ってほしいという感傷的な長文で構成されている。投稿が涙を誘えば誘うほど、人は騙されやすく、お金の受取人が誰か分からぬまま“寄付”を送ってしまう。

 対処法:送り先の基金のデータ、アカウント、振込先などを注意深く見ること。また投稿の写真に映った子どもの画像をネット検索してみると、“常に病み続けている”子どもであったり、ひどい場合にはストック写真であることもある。同じ写真が何年も使い回しされているのである。

5. オレオレ詐欺

 インターネット接続さえ必要のない手口。普通、犯人は、携帯電話番号のデータベース(ウェブで不法に売買されている)を持っていて、思春期の子どもを持つ女性が狙われることが多い。犯人はその女性の携帯電話に、「ママ、僕だよ。友人の携帯からメッセージさせてもらっている。ちょっと警察沙汰になりそうなトラブルに巻き込まれていて・・・、あとで説明するから、今すぐこの電話にちょっとお金を送ってほしい」とメッセージする。

 これは息子や娘が、警察に賄賂を渡して、犯罪から逃れようとしているというシチュエーションを想定したものだが、メッセージはたいてい、メッセージの受け取り主を驚かせるため、夜中か早朝に送られてくる。送金を急がせるのは、銀行の詐欺と同様。実際はメッセージの送り主は子どもではないのだが、子どものことを心配するあまり、すぐにお金を送ってしまう母親もいる。

 対処法:すぐに子どもの携帯に電話をかけて、確認する。あるいはそのメッセージに返信し、家族しか知らないような質問をしてみること。

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