外出制限が解除されたら、ロシア人はまず何をする?

Legion Media, Aleksandr Kryazhev/Sputnik
 自己隔離しているロシアの人々が解除後一番にしたいのは、髪を切ることらしい。そして多くの人々が、とにかく以前のような生活に戻ってほしいと願っている。

ロシアでは3月末にから自己隔離政策が導入されている。移動の監視も日に日に強化されており、現在は、最寄りの店への買い物、犬の散歩の際にしか外出が許されていないが、「こんなことしたい」という人々の気持ちを禁じることは誰にもできない。そこで、この外出制限が解除されたら、一番に何がしたいかロシアの人々に訊いてみた。

 

「1970年代のミュージシャンみたいなヘアスタイル」 

ロックグループ「ペスニャルィ」

 「制限が解除されたらすぐ髪を切りたい」。モスクワのロマンさんはそう言って、プードルの写真を送ってくれた。「僕たち、もうずっと髪の毛伸び放題で家に閉じこもっているんだ。5月には1978年のペスニャルィ(ソ連のロックグループ)みたい(な髪型)になってしまう。でもそんなヘアスタイルがきっと流行になると思う。だって(制限が解除されて)外に出たみんながそんな頭になっているんだからね」。

 サンクトペテルブルクのワレンチーナさんは髪を切るだけでなく、ネイルをしたいと考えている。最後にネイルサロンに行ったのは3月の20日ごろだったからだ。「ペトログラードにあるいつものサロンに行って、そこからドストエフスカヤまで散歩するの。途中でコーヒーとポンチキ(ドーナツ)を買って、そこからルービンシテインまで歩いて、ワインを飲んで、パスタを食べて・・・。その後、モスクワの学校に行って、友達とシャシリクをしたい」。 

 一方、ワレンチーナさんの彼氏はジム、あるいはせめて屋外でトレーニングをしたいそうだ。現在はこれも禁止されている。

 

「一番つらいのは子どもたち」 

 子どもとともに自己隔離しているモスクワっ子たちの願いはただ一つ。1日も早く、子どもたちを屋外の空気のきれいな場所で遊ばせられる日が来ること。2人の子どもを持つ母親のナジェージダさんは言う。「家でじっとしているのが一番つらいのは子どもたちです。遊んではいけない原因となっているコロナウイルスが一体何なのかさえ解っていないのですから」。

 一方、2人の子どもを持つマリアさんは、「そのうち、外を見て、罰金を取られることを恐れて、イライラしなくなればいいなと思っています」と話す。自己隔離の規制に違反した場合、最低でも5,000ルーブル(およそ7,200円)の罰金が課せられる。

 

朝まで散歩。あちこちの店をまわる

 モスクワ郊外のヴィドノエに住むタマーラさんは、「わたしはボードで、大好きなゴーリキー公園に行くわ」と話す。「それから許可が出たらすぐに休暇を取りたい。今はリモートワークで、大学で講義をしています」。

 一方、スヴェトラーナさんは、「まずはラフ・コーヒーを飲みに出かけて、それからモスクワの中心部にある洋服のお店を全部まわりたい」と話してくれた。彼女と一緒に出かけるというカメラマンのダリヤさんも夢見がちに言う。「家から出たら、ツァリツィノ公園を散歩して、そこでカモの写真を撮るの。それから大好きな地下鉄に乗って、洋服の店に行くわ。ありとあらゆる服を試着するわ!」。 

 「わたしはVDNKh(全ロシア博覧センター)を死ぬほど散歩したい。クタクタで歩けなくなるくらい。そしてあちこちでテイクアウトのコーヒーを買うの」と話すのは、ユリヤさん。そして、その次はニジニ・ノヴゴロドの親戚を訪ねて、そこで髪を切るのだという。ニジニ・ノヴゴロドには彼女の髪をよく知ってくれているスタイリストがいるのだそうだ。「父はトルコ旅行のチケットを買うと言ってる。この隔離の間に2回もチケットをキャンセルしたから」。 

VDNKh(全ロシア博覧センター)

 もう一人のスヴェトラーナさんは、真っ先に森にあるロープのある公園に行くと話す。「ロープにぶら下がって、焚き火のそばに座って、グリューワインを飲んで、シャシリクを食べて、ギターを弾いて。次の日はまたロープにぶら下がって・・・。それから山へのピクニックを予定してるの。ロープを使って山を降りたり登ったりする救助のためのトレーニングがあるんです。水着もあるし、必要なものはすべて揃っているので、一緒にどうぞ!」

 ロシアの自己隔離体制は4月30日までとされているが、政府はこの措置を少なくとも5月半ばまで延長する可能性もあるとしている。

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