どのような場合に必要なのか?
4月15日から、モスクワあるいはモスクワ州で移動しようとする者は通行証を申請しなければならない。この新たな措置は、自動車、オートバイ、タクシー、地下鉄、郊外列車、さらには自転車を含む、個人所有および公共のすべての交通手段に適用される。
申請ができるのは誰か?
現在モスクワに居住する者は誰でも通行証を申請できる。通行証はモスクワに居住する者すべてが取得でき、ロシア人だけに制限されない。外国人、亡命者、その他のカテゴリーに属する人々も、パスポートがなくても、IDを使って通行証を申請することができる。
合法と認められる移動の理由はどのようなものか?
移動の理由には3つのオプションがある。通勤のための移動、医療機関(病院など)を訪れるための移動、その他の3つである。
市政府は上記の3つ以外に、市内の移動が許可される個別のリストは作成していない。したがって、それぞれの移動の正当性は各人の裁量に任されることになる。同時に、市政府は通行証の発行を却下したり、提出された情報の合法性を調査することもある。
通勤用の通行証の有効期限は4月末までとなっているが、それ以外の通行証の有効期限は1日限りとなっている。個別の理由のための通行証の取得は1週間に2回しか認められない。
どのように発行されるのか?
モスクワ市政府は、申請の方法は3通りあるとしている。
1) モスクワ市公式ウェブサイトから(ログインは不要)
当初、ウェブサイトへのアクセスに問題があるとの報告も出ていたが、いまこの原稿を書いている現在、システムは完璧に作動している。
2) 電話で(番号は +7 (495) 777-77-77)
3) 専用フォームを使ったショートメッセージから(番号は7377)
通行証は4月13日から事前申請できる。
通行証はどのようなものなのか?
通行証は番号とQRコードの組み合わせからなっている。
番号の最初の4桁は通行証の有効期限を示し、残りの数字は所有者固有の識別番号となる。QRコードには、所有者が申請したときの情報が含まれており、警察が取り締まる際に、所有者が申請された通りのルートを通っているのかをチェックするために使われる。
所有者は道を通行するとき、通行証をプリントするかデジタルフォーマットで携行しなくてはならない。
通行証を申請しなくてよい場合はあるのか?
ある。14歳以下の子どもは、成人が付き添っている場合は免除される。また、軍人、政府の役人、公務員、裁判官、弁護士およびそのアシスタント、ジャーナリスト、民間の警備員などは通行証をもたずに街中を通行できる。ただし、その任務を証明する身分証明書を持っていなくてはならない。
市民は、食料品店や薬局に行くのにも通行証が必要なのか?
必要ない。この新しいシステムは、個人や公共の交通機関を使う場合のみに適用される。徒歩で近所の食料品店や薬局に行く場合は必要ない。人々は住居から一番近い店に行くように指導されている。
市民はモスクワからモスクワ州に移動できるのか?
できる。モスクワ市からその他の州、モスクワ州に移動することは許されている。モスクワとモスクワ州で発行された通行証は互換性がある。しかし、モスクワ州で通行証を申請するには、アプリをダウンロード(携帯電話またはショートメッセージ)しなければならないが、モスクワ市ではオンライン(ログインなし)でも申請できる(携帯電話またはショートメッセージでも申請可)。
通行証システムはどのように機能しているのか?
自動車での移動の場合、申請したルートを通行しているかどうか警察がチェックする。乗客が通行証を携行していた場合、タクシー運転手も追跡される。
通行証を持たずに移動した場合どうなるのか?
警告を受けるか、罰金が課せられる。その金額は、公共交通機関の利用者の場合、1,000ルーブルから3,000ルーブル(およそ1,500円から44,000円)、自家用車の利用者の場合は5,000ルーブル(およそ7,500円)となっている。複数回の違反をした場合には、15,000ルーブルから50,000ルーブル(およそ22,000円から75,000円)の罰金を課せられる。