1. トム・ハンクス
有名なハリウッド俳優のトム・ハンクスは大人になってから正教に改宗した。改宗を決意したのは、1988年に女優のリタ・ウィルソンと結婚した後のこと。リタ・ウィルソンはブルガリアとギリシャのルーツを持ち、自身も正教徒(ギリシア正教会)である。トム・ハンクスは、リタ・ウィルソンがかつて洗礼を受けた教会で結婚式を挙げたと繰り返し述べている。また2人の間に生まれた子どももギリシア正教会で洗礼を受けている。一家はロサンジェルスの正教会に通っており、2019年12月にはギリシア国籍を取得している。
2016年2月にトム・ハンクスは南極にあるロシア正教の至聖三者教会を訪れ、祈りを捧げた後、鐘楼にも登っている。教会のマクシム・ゲルプ輔祭はトム・ハンクスについて「非常に率直で、心優しい人物だ」と評している。.
2. ジェイムズ・べルーシ
アルバニア系移民の子孫であるジェイムズ・べルーシも正教徒で(アルバニア正教会)、アメリカにある正教区の教会に通っている。2009年にはアルバニア国籍を取得した。
3. ケイリー=ヒロユキ・タガワ
日系アメリカ人俳優のケイリー=ヒロユキ・タガワは、主にハリウッド映画(「モータル・コンバット」、「007消されたライセンス」、「猿の惑星」)の悪役として知られる。
2015年、ケイリー=ヒロユキ・タガワはモスクワのロシア正教会で洗礼を受けた。洗礼名はパンテレイモン。1年後、彼はロシア国籍を取得した。いずれも、長く考えた末に自分自身で決断したことだと述べている。
ケイリー=ヒロユキ・タガワは、映画「イエレイ(ロシア正教の司祭)さん」の公開に際して開かれた記者会見で、「わたしは最近の流行に乗ったのではなく、自分の心に従った。アメリカにいても、世界のどこか別のところにいても、簡単に決められることなどない。これはわたしにとって新たな挑戦だ」と述べている。
4. ショウニー・スミス
アメリカの歌手で俳優で、「N.Y.式ハッピー・セラピー」、「Saw」、「アルマゲドン」などの映画やドラマに出演しているショウニー・スミスはアメリカのプロテスタントの家庭に育った。しかし2014年に彼女は正教を受容することを決意し、いかにして信仰が彼女の人生を変えたのかをテーマにドキュメンタリー映画を製作しようとしていた(タイトルは「Orthodoxy: A Love Story」)。アメリカのメディアはこの映画について、「彼らはアメリカ、そしておそらくロシアを旅し、さまざまな正教徒とその会衆について調査し、信仰の多様性をとらえ、また改宗者たちと、なぜそしてどのように改宗したのかについて対話する計画だった」と伝えている。映画の出演者の1人は、ショウニー・スミスが「世界にまだ希望があるということを人々に伝えたかった」と述べたと回想している。しかし、映画はまだ完成していない。
5. ミラ・ジョヴォヴィッチ
キエフ生まれのハリウッド女優、ミラ・ジョヴォヴィッチは幼いときにアメリカに移住しているが、自身のルーツを誇りとしており、ロシア語も流暢に話す。自分の信仰については、「わたしは生まれながらにしてロシア正教徒ですが、愛と魂を感じる教会ならどこにでも行く」と述べている。
2 015年、彼女はロサンジェルスにあるスパソ・プレオブラジェンスカヤ教会で末娘ダシエルの洗礼を行なった。
6. ジェニファー・アニストン
ギリシア人のルーツを持つジェニファー・アニストンはギリシア正教徒。しかしロサンジェルスでは、ロシアのスパソ・プレオブラジェンカヤ教会に通っている。アニストンの代父は、彼女の父親の友人で、ギリシア系アメリカ人俳優、テリー・サバラスである。
7. ジョナサン・ジャクソン
本人の弁によれば、彼はセヴンスデー・アドヴェンチスト教会の家庭に生まれたが、9歳くらいのときに両親がこの宗教から離脱した。そしてジョナサンは、ティーンエイジャーになると、ロサンジェルスで、独自にキリスト教の文献などを読むようになり、宗教について考えるようになったという。長いこと熟考を重ね、さまざまな宗派の教会を訪れたジョナサン・ジャクソンは最終的に正教が自分にもっとも近いものだと言う結論に至った。彼は「ロシア正教会を初めて訪れるずっと前に、教会の夢を見たことに気がついた。それからほかの教会も訪れたが、それらはわたしが夢で見たのとは少しずつ違っていた」と述べている。ちなみにイタリア人である彼の妻も正教に改宗した。ジョナサン・ジェイムスは信仰と創造との関係をテーマにした著書を出している。