1.ハビブ・ヌルマゴメドフ(5百万フォロワー)
UFC低量級チャンピオン、かつサンボの世界大会で二度のチャンピオンに輝いたダゲスタン共和国出身の彼は、試合で一度も負けたことが無かった・・・。しかし今では大衆は、彼が同じく格闘家のコナー・マクレガーと試合後に起こした揉め事ばかりに注目している。これによって、ハビブには9か月の出場停止と50万ドルの罰金が課せられた。それ以来彼のインスタグラムアカウントは、ビザセンターや送金サービス、そしてブラッククミンシードオイルや彼自身のポップアップ・ストアの宣伝が目立つ。
2.オリガ・ブゾワ(3百万フォロワー)
このリアリティ番組“ハウス2”の司会者の人気は、サッカー選手のドミトリー・タラソフとの離婚から始まった。オリガは彼女の経験をもとに2つの音楽アルバムをリリースした。その後、彼女は夢の男性と出会うべく、次のリアリティ番組に臨んだものの、再び撃沈。それをきっかけに、彼女は新しいビデオをリリースし、自身のレストランチェーン“バズフード”をオープン、自身の仮想通貨も始めた。殆どの試みが失敗に終わっている。彼女はレコード上での声やパフォーマンス不足でよく非難を浴びている。しかし捨てられて不幸だが強い女性というイメージは完璧だ。
3.ティマティ(3百万フォロワー)
ラッパー兼、ブラックスター音楽レーベルの創始者、兼美容院、ハンバーガーショップ、及び洋服チェーンのオーナーのティマティは、長い間、彼のビデオにおけるプロダクト・プレイスメントの乱用で非難されてきた。彼を嫌う人々はまた、彼の現政権への忠誠をも非難している。彼がモスクワ現市長のセルゲイ・ソビャーニンを支持した動画には、百万以上の「嫌い!」がついてしまい、結局ティマティは自身の動画をユーチューブから消してしまった。
しかしこのことがあっても、彼の家族の様子や(彼の投稿の多くは子供たちのものだ)彼のアクティブな私生活はSNS上で確り伝わっている。車に乗っているティマティを見るより、おそらくサーフィンをしている彼を見る機会の方が多いだろう。
さらに、彼はロシアのテレビ番組“ソング”の審査員だ。彼はその番組で優秀な人物たちと契約し、プロモーションに協力している。若いラッパーや歌手たちは彼に恩を感じており、これが、彼が大きなブランドからも信頼されている理由だろう。
4.パーベル・ボーリャ(3百万フォロワー)
14年前、パーベルは細身の男で、(モスクワから641km離れた)ペンザという街でロシア語の教師をしていた。そしてKVNテレビのコメディ番組の元参加者で、初めて同じくコメディ番組の“コメディクラブ”の舞台に上がり、観客を喜ばせていた。しかし、それ以来、多くの変化が起きた。“コメディクラブ”はロシア有数のコメディ番組となり、パーベル自身もいくつかの音楽アルバムをリリース。体操選手のリャイサン・ウタシェワと結婚し、毎年大規模なツアー“スタンドアップ”を開催したり等、国内で尊敬されるコメディアンになった。
5.アナスタシア・イブレバ(13百万フォロワー)
数年前、サンクト・ペテルブルク出身の茶髪のアナスタシアは、クラブのホステスとして働いていた。仕事に疲れ、モスクワへ上京した彼女はオスタンキノ高等映画学校へ入学した。同時期、彼女は髪を金髪に染め、女性の欠点を冷やかす面白いビデオを撮るようになった。それがテレビ局の目に留まり、人気のテレビ番組“コイントス、表か裏か”の司会者に抜擢された。
イブレバは今でも司会者を続けているが、同時に有名なユーチューブ番組“AgentShow”に出演しながら自身の番組もリリースしている。セカンドシーズンの最初で、彼女は遠慮なく“スター達とくだらないことをやっている”と名言した。ゴキブリ入りのサンドイッチを食べたりストッキングを頭にかぶってゲストに牛乳を吹きかけたりしている。彼女の嗜好は決して彼女をセクシーなままにさせてくれない。でも実際、それこそが皆が彼女を愛している理由だろう。
6.エゴール・クリッド(2百万フォロワー)
ソーシャルネットワーク上の人々は、ペンザから上京してきた若きラッパーをあざ笑った。彼はブラックスターレーベル出身で最も成功したラッパーだ。もちろん、ティマティ以降で。彼の歯はあまりにも白いし、歌はひどいし、動画には沢山の広告が出ているし、彼はあまりにもメトロセクシャルだ。それにもかかわらず、彼の大きなツアーやビデオは50百万回以上閲覧されている。
しかしそれも2019年までだった。エゴールはその後戦略を変更した。ブラックスターとの契約を解消し、2つのビデオをリリースした。そのうちの一つで、彼は自身の内なる悪魔を非難し、もう一方で短所をたくさん持っている自分をからかう。インスタグラムには広告が減っていなかったけれど、もうそんなことは誰も気にしない。自嘲作戦はフォロワーたちに絶大な効果をもたらしたのだ。
7.ナスタシャ・サンブルスカヤ(7百万フォロワー)
ロシア国立芸術学研究所(GITIS)の卒業生の彼女が有名になったのは、ロシアでは“ユニバーシティー”(大学)と呼ばれている“ギリシャ”のドラマのリメーク版に出演してからだ。ナスタシャは細身で美しい生徒のクリスティーナを演じ、オリガルヒの息子と恋に落ち、その向こう見ずな生活態度を罰せられ大学の寮に送られてしまう。
その後彼女はシャンソンを歌い始め、積極的にジムに通い、その効果をインスタグラムでシェアするようになった。ファンはそれを好まず、彼女は次第にその弱々しい声と“男らしい”見た目をからかわれるようになった。
それに対抗して、彼女はスポーツブランド、リーボックの広告に参加したり、彼女に対してステレオタイプなことをあざ笑うようになった。更にアカウントに“恥ボード”を設置し、嫌いな人の顔をアップしはじめた。
8.イワン・ウルガント(7百万フォロワー)
イワンは自身の名前にちなんで名づけられた深夜番組「イブニング・ウルガント」の司会者だ。昔からのファンは彼が、4人の司会者がゲストを呼び、その週にあった出来事について冗談を言い合うパロディー番組の“ビッグ・ディファレンス”や“サーチライト・パリシルトン”に出ていたことを覚えている。
8年前、仮題“グリーシャ・ウルガント”の番組で彼はいくつかの曲やビデオをリリースしたが、どれも彼の音楽キャリアにはつながらなかった。最も視聴されたビデオは1.1百万回だった。
9.ポリーナ・ガガーリナ(7.4百万フォロワー)
テレビ番組“スター・ファクトリー”の参加者は叙情的な曲“子守歌”に恋をし、2013年、ロシアの各局のラジオで彼女の曲が流された。インスタグラムの人気及び、ロシア版ボイスショーの開始に伴い、ガガーリナは多くの曲のリリースに成功した一方、多くの体重も失った。2015年、彼女は“ユーロビジョン”音楽コンテストで2位となり、2019年には、中国湖南のテレビ番組の歌手コンテストに参加したことで中国でも人気を博した。ロシア人も中国人も、“キノー”グループのヴィクトル・ツォイが前で演奏している“かっこう”の曲が大好きで、ユーチューブ上でビデオは150百万回再生された。
10.クセニア・サプチャク(6.8百万フォロワー)
37歳のテレビ司会者、兼ジャーナリスト、兼元ロシア大統領候補はいかがわしいいたずらを語るのが大好きだ。彼女が自身の生活のリアリティ番組で酒に酔っぱらって床に寝ていた様子、また授賞式の時に他のテレビ番組の司会者のティナ・カンデラキにキスをしたこと、そして母親でありながら子供をバカ呼ばわりしたこと等々。彼女は非難を気にしなかった。一部の彼女を嫌う人々も彼女の力強いキャリアを止めることは出来なかった。最初彼女は、テレビ番組“レイン”で政治家や有名人を中心に取材していたが、今では自身の番組“気を付けて、サプチャク”を始めて、好きな人にインタビューをしている。例えばラース・フォン・トリアーやクエンティン・タランティーノなどに。