想像できないほどの金額の慰謝料、泥仕合、長く続く法廷闘争―これらのビジネスマンは前妻と財産分割するのに苦しい時間を過ごし、自由を得るのに多額のお金を支払った。なかには未だに争っているカップルもいて、70億ドルを争っているケースもある。
1. ロマン&イリーナ・アブラモーヴィチ(3億ドル)
有名なロシアのオリガルヒでサッカークラブ、チェルシーFCのオーナーでもあるロマン・アブラモヴィッチは、3回の結婚と離婚を経験している。しかし、3回の離婚の中でもっとも高くついたのは、1991年に結婚したアエロフロートの客室乗務員であったイリーナとのものであった。この2人が2007年に離婚に合意した時(すでに3人目の妻となるダリヤ・ジューコワと出会っていたとも言われている)、マスコミは、彼女には想定55億の財産が分けられると騒いだが、運命は別の方向へと進んだ。双方が合意した金額は、英国とモスクワにある邸宅、ヨット、プライベートジェットを含めてわずか3億ドルで、ロマンは、2人の間の5人の子供すべての養育費を支払うことに同意した。
2. オレグ・デリパスカ&ポリーナ・ユマシェワ(4億4,000万ドル)
ロシアの億万長者で、ロシアのエネルギー会社En+グループの共同オーナーであるオレグ・デリパスカは、ロシアで最も資産を持つビジネスマンの30位にランクされている。1年ほど前に彼は妻であったポリーナと密かに離婚したが、彼女を無一文で放り出したりはしなかった。彼らは2001年に結婚し、2人の子供に恵まれた。そして2017年にポリーナは、En+グループの株の6.9%を受け取った。これは、ロンドン市場で上場した時に、44億ドルの価値となった。今のこの株の価値はいくぶん減ったが、それでも31億ドル相当はある。
3. ファルハド・アフメドフ&タチヤナ・アフメドワ(5億8,400万ドル)
この2人の離婚闘争は、アフメドフの資産の40%にあたる58億4,000万ドルという英国法廷史上最高額の支払いが命じられて決着した。しかし、2017年に出た正式な判決の後も、このロシアのガスと石油業界の巨頭、ファルハド・アフメドフの前妻であるタチヤナは一銭も受け取っていない。イギリスから逃げ出したこの億万長者は、支払いを拒否し、資産を海外に隠した。また、この資産を築くために自分は「非常な」貢献をしたし、すでに2000年にロシアで離婚が認められていたという事実があり、これは英国法廷の判決より優先されると主張して、判決に不服を申し立てている。英国の高等裁判所は、モスクワの離婚証明書は偽造されたものと判断しており、英国市民であるタチヤナは、アフメドフの資産の分割を求めて争い続けている。
この2人は、1993年にモスクワで結婚し、後にロンドンに移り2人の子供をもうけた。彼らはお互いに不義を訴えているが、タチヤナは2013年までは2人は良い関係であったと主張している。
4. ドミトリー・リボロフレフ&エレーナ・リボロフレワ (6億300万ドル)
ロシアのオリガルヒ、ドミトリー・リボロフレフの妻、エレーナは23年間の結婚生活の後、夫の度重なる不倫に疲れ果てたとして離婚を申し立てた。裁判記録には夫が豪華なヨットで催したパーティーで、友達や他のオリガルヒらと一緒に「若い娘たち」を口説き落としていたと記されている。ジュネーブの裁判所は、2014年にリボロフレフに対して前妻に45億ドルを支払うように命じた。これは歴史上最高金額の離婚だとされている。
しかし、話はそれでは終わらなかった。2016年6月、このオリガルヒはこの金額を6億300万ドルとスイスの2軒の邸宅に激減させた。この決着のおかげで、フォーブス誌によると、エレーナはロシアで最も裕福な女性としてランクインした。
5. ウラジーミル・ポターニンとナターリヤ・ポターニナ(69億5,000万ドル)
ロシアの富豪、ウラジーミル・ポターニンの前妻は、前夫の財産の分割を求めて未だに争っている。このカップルは2014年にロシアで正式に離婚していたものの、ナターリヤは前夫はウラジーミル・プーチンと近しい友人であるのでロシアで然るべき審問や慰謝料を受けることが出来なかったと主張している。2016年よりロンドンに移り住んでいるナターリヤは、この夏、英国高等裁判所に、前夫の資産181億ドルの3分の1にあたる69憶5,000万ドルを要求した過去最大の訴えを起こした。