ビフォア・アフター:ロシアのバーレスクショー・アーティストたちの私生活とステージ(写真特集)

ライフ
ヴィクトリア・リャビコワ
 モスクワのショー「レディーズ・オブ・バーレスク」に出演している女性(と男性)の中には、ラメや羽根をつけてなければアーティストだと気づかない人もいる。

マリヤ・ウェインベルグ、25歳

 マリヤ・ウィエンベルグは昼間はジャーナリストとして働き、またマーケティング職にも就いている。そんな彼女は、夜になるとバーレスクの歌姫へと姿を変える。彼女は17歳のときから舞台に立っている。彼女は25歳までモデルやピンナッププロジェクトで仕事をし、その後、ショー「レディーズ・オブ・バーレスク」のジャズ歌手になった。

 「顔にも洋服にも床にもバスルームにもベッドにもネコにも食べ物にもラメをつけています。もっともっとラメが必要なのです。それに今は両親もわたしの成功を誇りに思ってくれていて、動画や写真をリポストしてくれています。彼氏もわたしを全面的にサポートしてくれていて、わたしの生活のクリエイティヴな部分にも積極的に参加してくれています」とマリヤは語る。

タイシヤ・レシェトニコワ、30歳

  タイシヤ・レシェトニコワは舞台監督であり、パーティ「Kinky Russia」の創設者のひとりである。バーレスクショーのアーティストとして舞台に立つようになって2年半だという。

 「わたしはロコテフ記念アンサンブルで7年間踊っていました。ありとあらゆる方向性を持ったダンスを試し、全ロシア映画大学の監督学部を卒業しました。ずっと自分の俳優としての才能と監督としての才能とダンスの才能をすべて活かせる仕事を探していました。そういう意味でバーレスクは理想的なものなのです」とタイシヤさん。

 しかしタイシヤさんの趣味について、母親は疑問を抱いていたという。一方の父親はというと、もう少し哲学的な見方をしていて、「お前が幸せならそれでいい」と言っているのだそうだ。 

 タイシヤさんは言う。「でも母は1990年代にキャバレーで振付師として働いていたので、母にはわたしがやっていることはそれと同じだといつも言っていました。それからまもなくして母はバーレスクがわたしに喜びだけでなく、お金や成功をももたらしていることを知り、母の考えも少し軟化したように思います」。

イリヤ・レシツァ、34歳

 16歳のときからイリヤはさまざまな人物に変身し、舞台に立つのが好きだった。ショーに出るようになったのは8ヶ月前。レディーズ・オブ・バーレスクのショーで、知り合いになろうと司会の女性に話しかけたのがきっかけだった。そしてショーに出演するようになったのだそう。

 イリヤの両親は今も彼がこのショーに出演していることを知らないという。なぜ他でもないこのようなイメージが彼を惹きつけているのか説明するのはあまりにも難しいからだそうだ。

アンナ・パヴロワ、31 

 かつて、アンナはスイングダンスとレトロ文化に熱中していた。そしてそんなときインターネットでたまたま1950年代のバーレスクのアーティストの動画を見つけ、「ハマった」と言う。

  「わたしはジャズ音楽にインスピレーションを受けたいくつかのナンバーを用意し、衣装を作って、友人を訪ねて旅行したサンフランシスコで複数のショーに応募しました。すると、わたし自身、そして友人たちの予想に反して、わたしに出演のオファーが来たのです。それから何度も何度も出演の機会を得ました。ヨーロッパ、ロシア、中東で舞台に立ったこともあります」。

タチヤナ・ドミトリエワ、31

 2ヶ月前、タチヤナは初めてバーレスク・ショーに司会者として出演した。

 「バーレスクは自己表現の自由と性的エネルギーの発散を兼ね備えたもので、それが自分への愛を育み、女性のエネルギーを感じることができるのです。そのエネルギーというのは、“男を手に入れる”という意味ではなく、無限の可能性、力、創造性という意味です」とタチヤナと確信している。

サビーナ・カルペンコ、27

 サビーナは元ネイリスト。ショーに出演して1年になる。

 「母はバーレスクについて、概要しか知りません。彼女はとても保守的な人なんです。いつかこの世界である程度極めたとき、舞台の上のわたしを見て、母もわたしがいかに最高な気分になれるのかを理解し、応援してくれると思っています」。サビーナはそう期待しているそうだ。

ヤーナ、26歳、エカテリーナ、31歳

 2人はジャズダンスが大好きだったことからショーに出演するようになった。ヤーナは指導者であり、エカテリーナはモスクワで第一号となったジャズ・コールドバレエのダンサーである。

 現在2人はショーでオリジナルのコールドバレエを踊っている。